2. 王妃は腹立ちまぎれに、エリヤにこうことづけました。 「よくも私の預言者を殺したね。 今度は、神々にかけて言っておくよ。 明晩の今ごろまでには、きっとおまえを殺してやるから、覚悟をおし。」
3. エリヤは、急にいのちが惜しくなって逃げ出しました。 ユダの町ベエル・シェバまで来ると、そこに従者を残し、
4. 一人で荒野へ入って行きました。 一日じゅう歩き続けて、くたくたになって、えにしだの木の下に座り込み、ひと思いに殺してくださいと、神様に祈ったのです。「もうたくさんです。 いっそ、このいのちをお取りください。 どうせ、いつかは死ぬのですから。」
5. そのまま、木の下に横になって眠り込むと、御使いが来て彼にさわり、起きて食事をするようにと言いました。
6. 見ると、石で焼いたパンと、水の入ったつぼがあります。 パンを食べ、水を飲んでから、また横になりました。
7. すると、再び御使いが現われて、彼にさわり、「起きて、もっと食べなさい。 先はまだまだ長いのだから」と言いました。
8. そこでエリヤは起きて、食べ、水を飲みました。 この食事で元気を取り戻したエリヤは、四十日四十夜、旅を続けて神の山ホレブ(シナイ山)に着き、
9. そこのほら穴に入りました。すると、神様が呼びかけました。 「エリヤ、ここで何をしているのか。」
10. 「私は天地の支配者である神様のために、一生懸命に働いてきました。 ところが、イスラエル国民は神様と交わした契約を破り、祭壇をこわし、神の預言者を殺しました。 彼らは今、ひとり生き残ったこの私まで、殺そうとしています。」
11. 「外に出て、山の上でわたしの前に立て!」 と、その時、神様が通り過ぎたのです。 激しい風が山を直撃し、岩が砕け落ちましたが、神様は、風の中にはおられませんでした。 風のあとに地震が起こりましたが、神様は、そこにもおられませんでした。