3-4. アハブの宮殿の管理人に、心から神様に従っている、オバデヤという人がいました。 以前イゼベル王妃が、神の預言者を一人残らず殺そうとした時、オバデヤは百人の預言者を助け、五十人ずつほら穴に隠し、パンと水をあてがったことがあります。
29. こうして、午後いっぱい騒ぎ立て、夕方のささげ物をする時になりました。 しかし、いぜんとして何の答えもありません。
30. この時とばかり、エリヤは人々に、「ここへ集まれ」と声をかけました。人々が回りに集まると、こわれていた神様の祭壇を築き直しました。
31. イスラエルの十二部族を示す十二の石を取り、
32. それで祭壇を築き直したあと、回りに幅一メートルほどの溝を掘りました。
33. 次に祭壇にたきぎを並べ、もう一頭の若い雄牛を切り裂き、たきぎの上に載せました。それから人々に命じました。 「四つのたるを水でいっぱいにし、その水をいけにえの雄牛とたきぎにかけなさい。」人々がそうすると、
34. 「もう一度」と頼むのです。 また言われたようにすると、「よーし、もう一度だけかけて」と言うではありませんか。 とうとう人々は、同じことを三度もくり返しました。
35. 祭壇から流れ落ちた水は、溝いっぱいにあふれています。
36. いつもの夕方のささげ物をささげる時間になると、エリヤは祭壇に歩み寄り、こう祈りました。 「ああ、アブラハム、イサク、イスラエル(ヤコブ)の神様。 あなた様こそイスラエルの神様であり、私が神様のしもべであることを、きょうこそ、はっきり証明してください。 私がこのようにしたのは、神様のご命令によったということを、人々にわからせてください。
37. 神様、私の祈りに答えてください! ここにいる人々が、あなた様こそ神であり、彼らをご自分のもとへ立ち返らせてくださることを知るように、どうか、私の祈りを聞き届けてください!」
38. すると、どうでしょう。 突然、火のかたまりが天から降ってきて、いけにえの若い雄牛、たきぎ、石、ちりを焼き尽くし、溝の水をすっかり蒸発させてしまったのです。
39. それを見た人々は、その場にひれ伏し、「主こそ神だ! 主こそ神だ!」と叫びました。
40. そこでエリヤは人々に、バアルの預言者を一人残らず捕らえよ、と命じました。捕らえたバアルの預言者は、キション川へ連れて行き、そこで殺しました。
41. それがすむと、エリヤはアハブ王に、「激しい大雨の音が聞こえます。 急いで仮の宿舎へ帰り、ごちそうに舌つづみを打ちなさい」と言いました。
42. 王は宴会の用意をしました。 一方エリヤは、カルメル山頂に登ってひざまずき、顔をひざの間にうずめ、
43. 従者に、「さあ、海の方を見てくれ」と頼みました。従者は戻って来て、「何も見えません」と報告しました。「もう一度、行ってくれ。 いや同じことを七回くり返すのだ。」
44. 七度目に、とうとう従者は叫びました。 「てのひらほどの小さな雲が、水平線から上って来まーす。」「そうか。 よし、急いで王のところへ行き、戦車で山を下るように言いなさい。 うかうかしていると、雨で身動きできなくなる。」