3-4. アハブの宮殿の管理人に、心から神様に従っている、オバデヤという人がいました。 以前イゼベル王妃が、神の預言者を一人残らず殺そうとした時、オバデヤは百人の預言者を助け、五十人ずつほら穴に隠し、パンと水をあてがったことがあります。
21. するとエリヤが、こう語りかけました。 「いつまで、迷っているのか。 イスラエルの神様がほんとうの神なら、この神様に従え。 バアルが神だというなら、バアルに従え。」
22. エリヤは、さらに続けました。 「私はたった一人の神の預言者だ。 ところが、バアルの預言者は四百五十人もいる。
23. さあ、二頭の若い雄牛を引っ張って来い。 バアルの預言者は、どっちでも好きな方を選び、切り裂いて、自分たちの祭壇のたきぎの上に載せるがいい。 ただし、火はつけるな。 私も残った方の雄牛を同じようにして、神様の祭壇のたきぎの上に載せ、火をつけないでおく。
24. それから、おまえたちの神に祈れ。 私も私の神様に祈ろう。 祈りに答えて天から火を降らせ、たきぎを燃やしてくださる神こそ、ほんとうの神様だ!」 国民はみな、この提案に賛成しました。
25. エリヤはバアルの預言者に言いました。 「おまえたちのほうが大ぜいだから、そっちから始めてくれ。 雄牛を一頭いけにえとしてささげ、おまえたちの神に祈れ。 ただし、たきぎに火をつけてはならん。」
26. そこで彼らは、いけにえにする若い雄牛を祭壇に載せ、午前中いっぱい、「ああ、バアル様、私たちの祈りに答えてください!」と叫び続けました。 しかし、何の答えもありません。 ついに祭壇の回りで踊りだしました。
27. かれこれ正午にもなろうというころ、エリヤは彼らをあざけりました。「もっと、もっと大声を出せ。 そんな声じゃ、おまえたちの神には聞こえんぞ。 だれかと話し中かもしれんからな。 トイレに入っているかもしれんし、旅行中かもしれん。 それとも、ぐっすり寝こんでいて、起こしてやる必要があるかもしれんな。」
28. それで彼らは、ますます大声を張り上げ、いつものように、ナイフや剣で体を傷つけたので、血がたらたら流れました。
29. こうして、午後いっぱい騒ぎ立て、夕方のささげ物をする時になりました。 しかし、いぜんとして何の答えもありません。
30. この時とばかり、エリヤは人々に、「ここへ集まれ」と声をかけました。人々が回りに集まると、こわれていた神様の祭壇を築き直しました。
31. イスラエルの十二部族を示す十二の石を取り、
32. それで祭壇を築き直したあと、回りに幅一メートルほどの溝を掘りました。
33. 次に祭壇にたきぎを並べ、もう一頭の若い雄牛を切り裂き、たきぎの上に載せました。それから人々に命じました。 「四つのたるを水でいっぱいにし、その水をいけにえの雄牛とたきぎにかけなさい。」人々がそうすると、
34. 「もう一度」と頼むのです。 また言われたようにすると、「よーし、もう一度だけかけて」と言うではありませんか。 とうとう人々は、同じことを三度もくり返しました。