6. その日、王は腹立ちまぎれに、イスラエル人を使う監督と配下の人夫がしらたちに、命令を出しました。
9. どんどん仕事をさせろ。 へとへとになるまでこき使え。 モーセやアロンのうそっぱちなどを聞いていると、どんな目に会うか、思い知らせてやるのだ。」
12. たいへんなことになりました。 人々はあちこちに出かけて行って、必死でわらを集めるのでした。
13. それでも、監督は容赦しません。 「一日分の仕事は前と同じにちゃんとやれ。 言いわけは許さんぞ」ときびしく要求します。
14. そして、イスラエル人の人夫がしらに、むちを振うのでした。 「きのうの割り当て分をちゃんと作らなかったな。 きょうも数が足りん。 怠け者めが。 命令どおりせっせと働け。」 とても無理なことをわめき散らすのです。
15. 人夫がしらたちは思いあまって、王のところへ嘆願に行きました。「陛下、お願いでございます。 こんなひどい仕打ちは、もうやめさせてください。
16. わら一本もらわず、前と同じ数のれんがを作るのは、無理な相談です。 私どもが悪いわけでもないのに、しょっちゅう打たれるのでは、かないません。 だいたい、こんな理屈に合わない仕事をさせる監督が悪いのでございます。」
17. ところが、王は取り合いません。 「いいや、おまえたちは暇すぎるのだ。 そうでなければ、『主にいけにえをささげに行かせてほしい』などとぬかすはずがない。
18. さあ、とっとと仕事に戻れ。わらは一本も渡さん。 れんがの割り当ても減らさん。 今までどおり、きちんと持って来い。」
19. もう、どうにもなりません。 人夫がしらたちは頭をかかえ込みました。
20. 途方にくれて外へ出ると、モーセとアロンが待っていました。 二人の姿を見ると、
21. 無性に腹が立ちます。 思いっきりののしるのでした。 「王やエジプト人から、こんなひどい仕打ちを受けることになったのも、元はと言えばおまえたちのせいだ。 まるで、おれたちを殺すいい口実を与えたようなものさ。 二人とも神様のさばきを受けるがいい。」
22. モーセも気持ちがおさまりません。 神様のもとに帰って抗議しました。 「神様、どうしてご自分の国民に、こんなひどい取り扱いをなさるのですか。 私が来たのは、いったい何のためでしょう。
23. 神様の命令を王に伝えてからというもの、事態はよくなるどころか、ますます悪くなるばかりです。 それなのに神様は、いっこうに救いの手を差し伸べてくださらないではありませんか。」