2. 「ふん、そうか。 だがな、どうしてこのわしが、主とやらの言うことを聞いて、イスラエル人どもを行かせなければならんのだ。 だいたい主とは何者だ。 聞いたこともないぞ。 いちいち、そんなお告げなどに取り合っておれん。 イスラエル人どもは絶対に行かせん。」 王はきげんをそこねたようです。
3. しかし、アロンとモーセも引き下がってはいません。 「ヘブル人の神様が私どもに現われたのです。 私どもは荒野を三日行った所で、主にいけにえをささげなければなりません。 もし神様に従わなければ、病気で死ぬか、さもなくば剣で殺されるかです。」
6. その日、王は腹立ちまぎれに、イスラエル人を使う監督と配下の人夫がしらたちに、命令を出しました。
9. どんどん仕事をさせろ。 へとへとになるまでこき使え。 モーセやアロンのうそっぱちなどを聞いていると、どんな目に会うか、思い知らせてやるのだ。」
12. たいへんなことになりました。 人々はあちこちに出かけて行って、必死でわらを集めるのでした。
13. それでも、監督は容赦しません。 「一日分の仕事は前と同じにちゃんとやれ。 言いわけは許さんぞ」ときびしく要求します。
14. そして、イスラエル人の人夫がしらに、むちを振うのでした。 「きのうの割り当て分をちゃんと作らなかったな。 きょうも数が足りん。 怠け者めが。 命令どおりせっせと働け。」 とても無理なことをわめき散らすのです。
15. 人夫がしらたちは思いあまって、王のところへ嘆願に行きました。「陛下、お願いでございます。 こんなひどい仕打ちは、もうやめさせてください。
16. わら一本もらわず、前と同じ数のれんがを作るのは、無理な相談です。 私どもが悪いわけでもないのに、しょっちゅう打たれるのでは、かないません。 だいたい、こんな理屈に合わない仕事をさせる監督が悪いのでございます。」
17. ところが、王は取り合いません。 「いいや、おまえたちは暇すぎるのだ。 そうでなければ、『主にいけにえをささげに行かせてほしい』などとぬかすはずがない。
18. さあ、とっとと仕事に戻れ。わらは一本も渡さん。 れんがの割り当ても減らさん。 今までどおり、きちんと持って来い。」