4. アロンはその金を火で溶かし、鋳型に入れ、道具を使って子牛の形に作りました。 「イスラエルばんざーいっ。 これこそ、われわれをエジプトから連れ出した神様だ。」 人々は大喜びで叫びました。
5. アロンは民が有頂天になっているのを見ると、子牛の前に祭壇を築いて布告しました。 「あすは神様のために盛大な祝いをしよう。」
6. 人々は明くる朝はやく起き、子牛の像に、完全に焼き尽くすいけにえと和解のいけにえとをささげました。 そのあとが大へんです。 あたりに座り込んで食べたり飲んだりするかと思えば、立って踊りだす者も出るしまつです。 とんだ乱痴気さわぎになってしまいました。
7. それを知った神様は、モーセに命じました。 「大急ぎで山を降りなさい。 おまえがエジプトから連れ出した連中が、かってなことを始めた。 ひどくて目もあてられん。
8. わたしのおきてをもう捨ててしまった。 子牛の像を作って礼拝し、いけにえまでささげ、『これこそ、イスラエル人をエジプトから連れ出した神だ』などと言っている。」
9. 神様はさらに続けます。 「イスラエル人がどんなに強情で恩知らずの国民か、よくわかった。
10. もう容赦はできん。 こうなったら皆殺しだ。 邪魔だてはするな。 モーセよ、連中の代わりに、おまえを大きな国にしよう。」
11. しかし、モーセは必死でお願いしました。 「神様、御みずからあれほど大きなお力を示し、すばらしい奇蹟をもって、ご自分の国民をエジプトから救い出されたのではありませんか。 その国民に、なぜそのようにお怒りになるのでしょう。
12. そんなことをなさったら、エジプト人は何と言うでしょう。 『ふん、イスラエルの神は連中をだまして山へ連れ出したんだ。 その証拠に、見ろよ、やつらは一人残らず殺されちまった』とあざけるかもしれません。 どうぞ怒りをおさめてください。 そんな恐ろしいさばきは、思いとどまってください。