20. 彼はやにわに子牛の像をつかみ、火にくべて溶かし、冷えると、今度は粉にして水にまき散らし、人々にむりやり飲ませました。
21. それからアロンに向き直り、きびしく問い詰めました。 「いったい何があったんです? ただ事じゃありませんよ。 兄さんも兄さんだ。 いっしょになってこんな恐ろしい罪を犯すなんて、どういうつもりなんです?」
22. 「まあ、そんなに興奮しないでくれ。 おまえも知ってるだろう。 あいつらときたら、ひどいやつばかりだ。
23. 『おれたちを導く神様を作ってくれ。 エジプトからおれたちを連れ出したモーセのやつは、きっとどうかなっちまったんだ』と詰め寄ってな。
24. それで、『金のイヤリングを持って来い』と言ってやったんだ。 するとどうだ。 みんな持って来るじゃないか。 それを火に投げ込んだらこの子牛が出て来た、というわけだ。」
25. アロンにはまるで反省の色がありません。 人々がみだらな行為にふけるのを、黙って見ているばかりです。 これでは敵の物笑いもいいところです。
26. 堪忍袋の緒が切れたモーセは、野営地の入口に立って叫びました。 「神様につく者、私と行動を共にする者は、ここに集まれっ。」 すると、レビ部族が全員集まりました。
27. モーセはその面々に命じました。 「イスラエルの神、主が言われる。 『剣を持って野営地中を駆け巡り、兄弟だろうが、友だちだろうが、知り合いだろうが、皆殺しにしろ。』」
28. 彼らは命令どおりにしました。 その日、約三千人の男が死にました。
29. モーセはレビ部族に言いました。 「きょう、あなたがたはりっぱに神様に仕えた。 息子や兄弟を殺してでも、神様に従った。 きっとすばらしい祝福があるだろう。」
30. 翌日、モーセは人々に言いました。 「おまえたちは大きな罪を犯した。 それで、もう一度山へ登り、神様にお願いしようと思う。 おまえたちの罪を赦していただけるかもしれない。」
31. モーセは神様のところへ帰って言いました。 「神様、あの連中は大きな罪を犯しました。 金で偶像を作ったのです。
32. けれども、あえてお願いします。 どうか罪を赦してやってください。 もし、どうしてもだめだと言われるのなら、神様が記しておられる書物から、私の名前を消してください。」
33. 「わたしに罪を犯した者はみな、わたしの書物から名前を消される。