出エジプト記 32:16-32 リビングバイブル (JLB)

2-3. 「それなら、金のイヤリングをよこしなさい。」 アロンは答えました。そこで、男も女も子供たちまで、みな言われたとおりにしました。 

16. 神様がみずから戒めをその板に記したのです。

17.  やがて、ふもとの方から人々の叫び声が聞こえてきます。 ヨシュアはモーセに言いました。 「まるで戦争でもしているような騒ぎですね。」

18.  「いや、あれは勝利の叫びでもないし、敗北のうめきでもない。 歌って騒いでいるのだ。」

19.  野営地に近づくと、子牛の偶像と踊り狂っている人々の姿が目にはいりました。 それを見たモーセは、むらむらと怒りがこみ上げ、思わず石板を地面に投げつけました。 それは山のふもとで、木端微塵に砕けました。 

20. 彼はやにわに子牛の像をつかみ、火にくべて溶かし、冷えると、今度は粉にして水にまき散らし、人々にむりやり飲ませました。

21.  それからアロンに向き直り、きびしく問い詰めました。 「いったい何があったんです? ただ事じゃありませんよ。 兄さんも兄さんだ。 いっしょになってこんな恐ろしい罪を犯すなんて、どういうつもりなんです?」

22.  「まあ、そんなに興奮しないでくれ。 おまえも知ってるだろう。 あいつらときたら、ひどいやつばかりだ。 

23. 『おれたちを導く神様を作ってくれ。 エジプトからおれたちを連れ出したモーセのやつは、きっとどうかなっちまったんだ』と詰め寄ってな。 

24. それで、『金のイヤリングを持って来い』と言ってやったんだ。 するとどうだ。 みんな持って来るじゃないか。 それを火に投げ込んだらこの子牛が出て来た、というわけだ。」

25.  アロンにはまるで反省の色がありません。 人々がみだらな行為にふけるのを、黙って見ているばかりです。 これでは敵の物笑いもいいところです。 

26. 堪忍袋の緒が切れたモーセは、野営地の入口に立って叫びました。 「神様につく者、私と行動を共にする者は、ここに集まれっ。」 すると、レビ部族が全員集まりました。

27.  モーセはその面々に命じました。 「イスラエルの神、主が言われる。 『剣を持って野営地中を駆け巡り、兄弟だろうが、友だちだろうが、知り合いだろうが、皆殺しにしろ。』」 

28. 彼らは命令どおりにしました。 その日、約三千人の男が死にました。

29.  モーセはレビ部族に言いました。 「きょう、あなたがたはりっぱに神様に仕えた。 息子や兄弟を殺してでも、神様に従った。 きっとすばらしい祝福があるだろう。」

30. 翌日、モーセは人々に言いました。 「おまえたちは大きな罪を犯した。 それで、もう一度山へ登り、神様にお願いしようと思う。 おまえたちの罪を赦していただけるかもしれない。」

31.  モーセは神様のところへ帰って言いました。 「神様、あの連中は大きな罪を犯しました。 金で偶像を作ったのです。 

32. けれども、あえてお願いします。 どうか罪を赦してやってください。 もし、どうしてもだめだと言われるのなら、神様が記しておられる書物から、私の名前を消してください。」

出エジプト記 32