使徒行伝 7:26-38 リビングバイブル (JLB)

26. 翌日、もう一度出かけて行くと、今度はイスラエル人同士で争っているのにぶつかりました。 モーセは間に割って入り、『兄弟同士じゃないか。 けんかなんかやめろ』と押しとどめました。

27. すると、相手を痛めつけていたほうの男が、よけいな口出しをするな、とわめきました。 『やいやい、だれがあんたを、おれたちの支配者や裁判官にしたんだよー。 

28. ええっ、どうなんだい。 昨日、あのエジプト人を殺したみたいによー、おれまで殺そうってのかい。』

29. これを聞いて、モーセはまずいことになったと、エジプトを逃げ出し、ミデアンの地に身を寄せました。 そこで、二人の子供をもうけたのです。

30. それから四十年の歳月が流れました。 ある日のことです。 シナイ山に近い荒野で、御使いが柴の燃える炎の中に現われました。 

31. モーセはその光景に驚き、何事かと一目散に駆け寄ってみると、主の声が聞こえてきました。 

32. 『わたしはあなたの先祖、アブラハム、イサク、ヤコブの神である。』 モーセはすっかり震え上がり、顔を上げる勇気もありません。

33. 主は続けて語られました。 『くつを脱ぎなさい。あなたの立っている所は聖なる地だから。 

34. わたしは、エジプトで苦しめられているわたしの民の姿を見、またその叫びを聞いた。 わたしは彼らを救い出そうと下って来たのだ。 行け。 わたしが、あなたをエジプトに遣わすのだ。』 

35. こうして神様は、『だれがあんたを、おれたちの支配者や裁判官にしたのかよ』と、ユダヤ人たちに退けられたモーセを、もう一度、エジプトに帰らせたのです。 モーセは初めて、イスラエル人の支配者、また解放者となったのです。 

36. モーセは、数々の驚くべき奇蹟によって、人々をエジプトから連れ出し、紅海を横断して、四十年にわたる荒野での生活を指導しました。

37. このモーセが、『神様はあなたがたの中から、私のような預言者をお立てになる』と、イスラエルの人々に宣言したのです。 

38. モーセは荒野では、神様と人との仲介者でした。 すなわち、シナイ山で、神のおきてである、いのちのことばを御使いから受け、それをイスラエルの人々に与える役を果たしたのです。

使徒行伝 7