7. 二人が一同の前に引き出されました。 いよいよ尋問の始まりです。 「おまえたちは、何の力で、まただれの権威で、こんなことをしたのか。」
8. その時、ペテロは聖霊に満たされ、落ち着きはらって答えました。 「わが国の名誉ある指導者、ならびに長老の方々。
9. お尋ねの件は、あの足の悪い男のことで、どのようにして彼が治ったかということでしょうか。
10. そのことなら、あなたがた、いや、イスラエルのすべての人たちに、はっきりお話ししたいのです。 この出来事は、あなたがたが十字架につけ、神様が復活させてくださった、あのメシヤ(救い主)、ナザレのイエス様の名と力とによるのです。
11. メシヤのイエス様は、まさに『建築士たちの捨てた石が、最も重要な土台石になった』と旧約聖書にある、その石なのです。
12. この方以外には、だれによっても救われません。 天下に、人がその名を呼んで救われる名は、ほかにないのです。」
13. あまりにも大胆な二人の態度に、議員たちもたじたじです。 しかも二人は、明らかに教育も受けていなければ、宗教の専門家でもありません。 ただただ驚くばかりです。 そしてとうとう、イエスといっしょにいたから、そうなったのだ、と認めないわけにはいかなくなりました。
14. その上、実際に足の治った当の男が二人のそばに立っていたのでは、この事実を否定することもできません。
15. しかたなく、二人を退場させ、秘密に協議しました。
16. 「さあて、あいつらを、どうしよう。 たいへんな奇蹟を行なったという事実は、どうにも否定のしようがない。 なにしろ、エルサレム中の人たちが知っているんだからな……。
17. だが、これ以上の宣伝活動はやめさせなきゃならん。 今後イエスのことを人前で語ったら、ただじゃすまないぞと、脅してやろう。」
18. 話が決まったところで、もう一度二人を呼び入れ、こんりんざいイエスのことを話してはならないと、きつく申し渡しました。
19. しかし、ペテロとヨハネは、きっぱり答えました。「神様にではなく、あなたがたに従うことを、神様が望んでおられるとでもお考えなのですか。
20. 私たちは、イエス様の行なわれたことや、お話しになったことを、知らせないわけにはいきません。」