17. 心配はいらない。 あなたを、ユダヤ人からも外国人からも守ろう。 あなたを外国人のところに派遣するのだから。
18. 人々の目を開き、自分のほんとうの姿に気づかせ、罪を悔い改め、悪魔の暗やみから出て、神様の光の中に生きるようにするために。 わたしを信じる信仰によって、彼らは罪の赦しを受け、きよくされたすべての人たちと共に、神様の相続財産を受けるようになるのだ。』
19. それで、アグリッパ王よ。 私はこの天からの幻に従ったのでございます。
20. ダマスコを手はじめに、エルサレム、ユダヤ全国、さらに外国人にも、すべての人が罪を捨てて神様に立ち返り、それを良い行ないで示さなければならない、と宣べ伝えてきました。
21. このために、ユダヤ人は私を神殿でつかまえ、殺そうとしたのです。
22. しかし神様のお守りがあったので、私は今日まで生きながらえ、身分の高い人にも低い人にも、あらゆる人にこのことを伝えているのです。 私は、預言者とモーセが語ったこと以外、何も話してはおりません。
23. 私が話しているのは、キリストは苦しみを受け、死人の中から最初に復活して、ユダヤ人にも外国人にも光をもたらす、ということだけです。」
24. ここで突然、フェストが大声をあげました。 「パウロ、気が狂ったかっ! あまり学問に身を入れすぎて、おかしくなったな。」
25. 「何をおっしゃいます、フェスト閣下。 気など狂ってはおりません。 まじめに真理を語っているだけでございます。
26. アグリッパ王はよくご存じのはずです。 そう確信しておりますから、率直に申し上げているのです。 これはみな、片すみで起こったことではないのですから。
27. アグリッパ王、あなた様は預言者を信じておられますか。 もちろん、信じておられるものと確信しておりますが。」
28. アグリッパは、パウロのことばをさえぎりました。 「おまえは少しばかり話しただけで、余をクリスチャンにしようというのか。」
29. 「お話ししたことが短かろうと長かろうと、そんなことはかまいません。 私がひたすら神様にお願いするのは、あなた様をはじめ、ここにおられる皆さん全部が、私と同じようになってくださることです。 もちろん、この鎖につながれることは、別ですが……。」
30. ここで王と総督とベルニケ、またほかの人たちもみな席を立ち、出て行きました。
31. あとで話し合った結果、一致した意見は、「あの男は、死刑や投獄にあたることは何もしていない」ということでした。
32. アグリッパはフェストに、「カイザル(ローマ皇帝)に上訴さえしていなければ、自由の身になれたものをなあ」ともらしました。ローマ目指して