4. さて、あまりくどくならぬよう、手短に、この男に対する訴えの筋を申し上げますので、何とぞ、お聞き届けください。
5. このパウロは全く人騒がせな男で、ナザレ人という一派の首領におさまり、世界中を駆け巡ってユダヤ人をたきつけ、ローマ政府に反乱を起こそうとしているのでございます。
6. その上、神殿までも汚そうとしたので、引っ捕らえたしだいでございます。われわれとしては、当然の罰を加えようとしただけですのに、
7. 守備隊司令官のルシヤ様が、この男を力ずくで奪い、
8. ローマの法律で裁判しろとお命じになったのです。 閣下がお調べくだされば、われわれの正しいことがおわかりいただけると存じます。」