18. 集まった長老たちに、パウロはこう語りました。「私がトルコに足を踏み入れて以来、どんなふうに生きてきたかは、よくご存じですね。
19. 私は謙そんの限りを尽くし、涙を流しながら、神様のために働いてきました。 ユダヤ人には命をつけねらわれ、危険な目に会ったのも、一度や二度じゃありません。
20. それでも、ためらわず真理を語りました。 個人的にばかりでなく、堂々と大ぜいの人の前でも。
21. また、ユダヤ人にもギリシヤ人にも、罪から離れ、主イエス・キリストを信じて神様に立ち返るように勧めました。
22. 今は、聖霊様が、どうにも逆らえない強い力で、私をエルサレムへ行かせるのです。 そこで何が待ち受けているか、見当もつきません。
23. ただわかっているのは、行く先々の町で、入獄と苦難が待っていると、聖霊様が告げてくださったことだけです。
24. しかし、主イエス様がせよと言われた仕事をやり遂げるためなら、こんなつまらない命でも、喜んで投げ出す覚悟はできています。 その仕事とは、神様の力強い愛とあわれみについての、すばらしい知らせを伝えることです。
25. 皆さん。 これまで何回か、あなたがたのところを訪問し、神の国のことを教えた私ですが、もう二度とお目にかかることもないでしょう。
26. ですから、今ここで、はっきり宣言します。 あなたがたが、どんなさばきを受けることになろうと、私の責任ではありません。
27. 私は、神様の教えを、何もかも話してあげたからです。
28. 注意しなさい。 あなたがたは、神の羊たち〔神様がキリストのいのちと引き替えに買い取った教会〕を養い育てる立場にあるのです。 このことをしっかり肝に銘じておきなさい。 いいですか、聖霊様が、この監督者としての責任をお与えになったのですよ。
29. 私が去ったあと、狂暴な狼のような偽教師たちが忍び込み、情け容赦なく群れを荒らし回るでしょう。
30. それだけじゃありません。 あなたがたの中からも、弟子を自分の側に引き込みたいばかりに真理を曲げる者が出るでしょう。
31. だから、よく見張っていなさい。 私といっしょに過ごした三年間を忘れてはいけません。 昼も夜も目を離さず、あなたがたのために流してきた、私の涙を忘れてはいけません。
32. 私は今、あなたがたを、神様とそのすばらしいみことばとにゆだねます。 このことばが、あなたがたの信仰を強くし、神様のためにきよい者とされた人々が相続する財産を、あなたがたにも与えるのです。
33. 私はお金やぜいたくな衣服をほしいと思ったことなど、ただの一度もありません。
34. この手、この両手が、どれだけ自分の生活や、いっしょにいた人たちの必要のために働いたかは、よくご存じでしょう。