1-2. それで「よーし、愉快にやろう。 思うぞんぶん楽しむことだ」と、ひそかに思いました。 ところが、こうした生き方も実にくだらないことがわかりました。 寝ても覚めても笑っていたら、頭がおかしくなったと思われます。 それが何の得になるのでしょう。
10. 欲しいものは何でも手に入れ、したい放題の楽しみをしてみました。 つらい仕事にも大きな喜びがあることさえ知りました。 この喜びこそ、実に、あらゆる労働に共通した報酬なのです。
11. しかし、してきたことを振り返ってみると、どれもこれも役に立たないことばかりで、風をつかむようなものです。 これこそ価値があると言えるものなど、どこにもありません。
12. そこで、知恵と無知の価値を比較してみることにしました。 きっとだれでも、同じ結論に達すると思います。
13-14. それは、こういうことです。 光が暗やみより良いように、知恵は無知よりはるかに価値があります。 りこうな人は物事を正しく判断しますが、頭の悪い人は、先のことがわかりません。 ところが私は、りこうな人にも頭の悪い人にも共通点があることに気づきました。