2. ある日、ルツはナオミに申し出ました。 「ねえ、お義母さん、どなたか親切な方の畑で、刈る人たちのあとについて落ち穂を拾わせてもらおうと思うのよ……。」「すまないね、そうしてくれるかい。」
3. そこでルツは出かけて行き、落ち穂を集めたのですが、なんと、その畑はボアズの畑だったのです。
6. 「あれは、ナオミといっしょにモアブからまいった娘でございます。
7. 落ち穂を拾わせてくれって、今朝から来ましてね。 とにかく、ああやってずっと、木陰で休みもせず、立ち働いてるんでさあ。」
10-11. ルツはありがたくて、何と言ったらよいかわかりません。 「どうして、私みたいな者に、そんなに親切にしてくださるのですか。よそ者ですのに。」「もちろん、知っているよ。 それにあんたがご主人を亡くしてからも、しゅうとめのために一生けんめい尽くしたことや、生まれ故郷を離れて、見知らぬ国まで来たことも、何もかもな。
12. どうかイスラエルの神様が、その翼の下に避け所を求めてやって来たあんたを祝福してくださるように。」
13. 「ほんとうに、もったいのうございます。 使用人でもございませんのに、こんなにも親切にしていただいて……。」
14. 昼食の時、ボアズはルツに、「さあ、いっしょにお食べ」と声をかけました。ルツが、刈り取る人たちと並んで腰をおろすと、ボアズは、食べきれないほどの食べ物を取り分けてくれました。
15. そして、再び落ち穂拾いに立とうとすると、若者たちにこう命じてくれるのでした。「くれぐれも、あの女のじゃまはせんようにな。 束の間でも落ち穂を拾わせてやりなさい。
16. そしてもっと拾いやすいように、わざと大麦の穂を抜き落としておくがいい。 つべこべ言ってはならんぞ。」
17. こうしてルツは、一日中、そこで落ち穂を拾い集めました。 夕方になって、集めた大麦の穂を打ってみると、なんと三十六リットルの升に一杯分もあります。
18. それを抱えて町へ戻り、しゅうとめに見せました。 また、昼食の残りも差し出しました。
19. 「おやまあ、ずい分たくさんだこと!」 ナオミは思わず声をあげました。 「いったい、どこで拾って来たの。 こんなに親切にしてくださった方のために、心から神様に感謝しましょう。」 ルツはしゅうとめに、ボアズの畑に行ったことなど一部始終を話して聞かせました。
20. それを聞いて、ナオミはまたびっくり。「あの方ですって! 神様、ありがとうございます。 神様のお恵みは、あんたが夫を亡くした時に終わったんじゃなかったわ。 ずっとお恵みは注がれていたんだねえ。 だって、その方はいちばん近い親戚の一人なんだもの。」