1. ところでナオミには、ベツレヘムに住む、ボアズという名の大金持ちの親戚がありました。
2. ある日、ルツはナオミに申し出ました。 「ねえ、お義母さん、どなたか親切な方の畑で、刈る人たちのあとについて落ち穂を拾わせてもらおうと思うのよ……。」「すまないね、そうしてくれるかい。」
3. そこでルツは出かけて行き、落ち穂を集めたのですが、なんと、その畑はボアズの畑だったのです。
4-5. ルツがまだ畑にいるうちに、ボアズがベツレヘムの町から来ました。 雇い人たちとひと通りあいさつをすませると、ボアズは監督役の者に尋ねました。 「あそこにいるのは、どこの娘さんかね。」
6. 「あれは、ナオミといっしょにモアブからまいった娘でございます。
7. 落ち穂を拾わせてくれって、今朝から来ましてね。 とにかく、ああやってずっと、木陰で休みもせず、立ち働いてるんでさあ。」
10-11. ルツはありがたくて、何と言ったらよいかわかりません。 「どうして、私みたいな者に、そんなに親切にしてくださるのですか。よそ者ですのに。」「もちろん、知っているよ。 それにあんたがご主人を亡くしてからも、しゅうとめのために一生けんめい尽くしたことや、生まれ故郷を離れて、見知らぬ国まで来たことも、何もかもな。