2-3. ふと見ると、水ぎわの二そうの小舟で、漁師たちがせっせと網を洗っています。 イエスはそのうちの一そうに乗り込んで、持ち主のシモンに少しこぎ出してもらい、舟の中に座ったまま、群衆に教えられました。
15. イエスのうわさはあっという間に広まり、大ぜいの人が教えを聞こう、病気を治してもらおうと詰めかけました。
16. しかしイエスは、何度も荒野に身を避け、祈っておられました。
17. ある日、イエスが教えておられると、パリサイ人(特におきてを守ることに熱心なユダヤ教の一派)と法律の専門家が数人そばに座っていました。 〔ガリラヤやユダヤのすべての村、またエルサレムから来た人たちです。〕イエスには、病気を治す神の力がありました。
18-19. その時、数人の人がやって来ました。 見ると、中風の男を、それも、ふとんごとかついでいます。 彼らは、何とか群衆をかき分けてイエスのところへ行こうとしましたが、とても近づけたものではありません。 しかたなく、屋根にのぼり、天井に穴をあけ、病人をふとんごと、人々の真ん中に立っておられるイエスの目の前につり降ろしました。
20. イエスはこれほどまでの信仰を見て、病人に、「あなたの罪は赦されました」と宣言なさいました。
21. 「なんて罰あたりなことばだっ! いったい何様だと思ってるのか。 冒涜だ! 明らかに神様を汚す言葉だ。 罪を赦すなんて、神様にしかできないことなのに……。」パリサイ人や法律の専門家たちは、心の中で強く反発しました。
22. それを見抜いたイエスは、「なぜ、わたしのことばが神を汚すことになるのですか。
23-24. この人に、『あなたの罪は赦されました』と言うのと、『起きて歩きなさい』と言うのと、どちらがむずかしいですか。 わたしは病気を治す力も、罪を赦す権威も持っているのです。 それを証明してみせましょう」と言い、中風の男に、「さあ、起きなさい。 床をたたんで、家に帰りなさい」とお命じになりました。
25. 男はぱっとはね起き、並み居る人をしり目に、すぐに床を取り上げると、神を賛美しながら帰って行きました。
26. 居合わせた人たちはたいへんです。 みな恐れに取りつかれ、「不思議だ。 まるで考えられないことだ」と幾度もくり返しては、神をほめたたえました。