1. ある日、イエスがゲネサレ湖のほとりで教えを宣べ伝えておられるところへ、大ぜいの人が神のことばを聞こうと押しかけました。
4. お話が終わると、シモンにおっしゃいました。 「さあ、もっと沖へこぎ出して、網をおろしてごらんなさい。 たくさん魚がとれますよ。」
5. 「でも先生。 おれたちは夜通し一生懸命働いたんですぜ。 なのに、雑魚一匹とれなかった。 だけど、まあ、せっかくそうおっしゃるんだから、もう一度やってみますがね……。」
6. ところがどうでしょう。 今度は網が破れるほどたくさんの魚がとれたのです。
7. あまり多くて、手がつけられません。 大声で助けを求めました。 仲間の舟が来ましたが、二そうとも魚でいっぱいになり、今にも沈みそうです。
8. シモン・ペテロは事の真相に気づくと、あわててイエスの前にひれ伏し、「ああ、先生。 どうぞ私みたいな者から離れてください。 私は罪深い人間で、とてもおそばへは寄れません」と叫びました。
9. あまりの大漁に、ペテロも仲間たちも恐ろしくなったからです。
10. 仲間には、ゼベダイの息子のヤコブやヨハネもいました。 イエスはシモンに、「こわがらなくてもいいのです。 今からは人間をとる漁師になるのですから」と言われました。
11. 岸へ上がると、彼らは何もかも捨てて、イエスにお従いしました。イエス、病気を治す
12. イエスがある村におられた時のことです。 そこに、らい病に全身を冒された男がいました。 彼はイエスを見るや、その前にひれ伏し、額を地面にこすりつけて頼みました。「お願いでございますっ! どうぞ私の体を、体をもとどおりにしてください。 あなた様のお気持ちひとつで治るのですから。」
13. イエスは手を伸ばして男にさわり、「治してあげましょう。 どれどれ、さあ、もう大丈夫ですよ」と言われました。 すると驚いたことに、らい病はたちまち消え去り、あとかたもなくなったのです。