ルカによる福音書 23:19-30 リビングバイブル (JLB)

19. バラバとは、エルサレムで、政府転覆を図った罪と殺人罪とで、投獄されていた男でした。 

20. ピラトは、なんとかしてイエスを釈放しようと、なおも、群衆を説得しようとしましたが、 

21. 彼らは聞き入れません。 「十字架だっ! 十字架につけろっ!」と叫び続けるばかりです。

22.  ピラトは、三度目に念を押しました。 「どうしてだっ! この男がどんな悪事を働いたというのか。 死刑を宣告する理由など見つからん。 だから、むち打ってから釈放してやるつもりだ。」 

23. それでも、騒ぎはおさまりません。 ますます大声で、イエスを殺せとわめき立てる群衆の声に、ついに、ピラトも負けてしまいました。

24.  しかたがありません。 要求どおり、イエスに死刑を宣告し、 

25. 反逆罪と殺人罪で投獄されていたバラバを釈放しました。 イエスのほうは、すぐに人々の手に渡し、好きなようにさせました。

26.  イエスを刑場に引いて行く途中、田舎からエルサレムに着いたばかりの、シモンというクレネ人に会いました。 全く好都合です。 むりやり十字架を背負わせ、イエスのうしろから運ばせました。 

27. 大ぜいの群衆や、悲しみに打ちひしがれた婦人たちが、あとから、ぞろぞろついて行きます。

28.  イエスは婦人たちのほうをふり向き、とぎれとぎれに言われました。 「エルサレムの娘たちよ……。 わたしのために泣いてはならない。 自分と、子供たちのために、泣きなさい……。 

29. いいですか……、子供のできない女のほうが、しあわせだ、と思われる日が、すぐにでも、来るのです。 

30. その時、人々は……山に向かって、『私たちの上に倒れて、押しつぶしてくれっ!』と叫び、丘に向かって……、『私たちを埋めてくれっ!』と必死で、頼むでしょう……。 

ルカによる福音書 23