ルカによる福音書 22:41-42-59 リビングバイブル (JLB)

5. この協力に彼らは大喜びでした。 ほうびをやる約束までしたほどです。 

6. それでユダは、群衆が回りにいない時にひそかにイエスを逮捕しようと、チャンスをうかがい始めました。

7.  さて、過越の小羊を殺し、イースト菌を入れないパンといっしょに食べる、過越の日になりました。 

8. イエスはペテロとヨハネを先にやり、過越の食事をする場所を捜させました。

9.  「どこへ行けば、よろしいでしょう。」

41-42. こう言い残すと、イエスは、石を投げれば届くあたりまで歩いて行き、ひざまずいて祈り始められました。 「父よ。許していただけるなら、どうぞこの恐ろしい杯を取り除いてください。 ですが……、わたしの思いどおりにではなく、あなたのお心のままになさってください。」 

43. この時、天から御使いが現われ、イエスを力づけました。 

44. イエスは苦しみもだえながら、いよいよ力を込めて祈られます。 大粒の汗が、まるで血のしずくのように、したたり落ちました。 

45. ようやく立ち上がり、弟子たちのところに帰って来ると、どうでしょう。 弟子たちは、悲しみのあまり、疲れ果てて眠り込んでいます。

46.  「どうして眠っているのですか。 さあ、起きなさい。 誘惑に負けないように、祈りなさい。」

47.  こう言い終わらないうちに、十二弟子の一人ユダに先導されて、大ぜいの暴徒が押し寄せました。 ユダはイエスに駆け寄り、さも親しげに頬にくちづけのあいさつをしました。

48.  しかしイエスは、あわれむように、「ユダよ。 あなたは、くちづけでメシヤ(救い主)を裏切るのですか」と言われました。

49.  この事態の急変に取り乱した弟子たちは、「戦いましょう、先生。やつらをたたき切ってやりましょう!」と騒ぎだしました。 

50. そして一人が、大祭司の家来に襲いかかり、右の耳を切り落としました。

51.  「やめなさい。 それ以上手向かってはいけません。」イエスはこう命じてから、その家来の傷口にさわって、治されました。 

52. 次に、暴徒どもの先頭にいた祭司長、神殿の警備隊長、ユダヤ人の指導者たちに向かって言われました。 「剣やこん棒とは。 こんなものものしい武装をしなければならないほど、わたしは凶悪犯なのですか。 

53. なぜ神殿で捕らえなかったのですか。 毎日あそこにいたのに。 しかし、今はあなたがたの時、サタンが勝ち誇る時なのです。」ペテロの大失敗

54.  人々はイエスを捕らえ、大祭司の家に引っ立てました。 遠くから、ペテロが、恐る恐るあとをつけて行きました。 

55. 家の中庭では、兵士たちがたき火を囲んで暖まっています。 ペテロもその中にまぎれて座り込んでいました。

56.  そのうち、一人の女中が火のあかりでペテロに気づき、「この人、イエスといっしょだったわ!」と叫びました。

57.  「と、とんでもない! そんなやつは知らんよ!」ペテロはあわてて打ち消しました。

58.  しばらくすると、ほかの男が「いいや、おまえはやつらの仲間に違いない」と言い寄りました。 「違う、違う。 絶対そんなことはない!」ペテロはまた否定しました。

59.  一時間ほどたったでしょうか。 また別の男が、「おまえは確かにイエスの弟子だ。 その証拠に、二人ともガリラヤ人じゃないか」ときめつけました。

ルカによる福音書 22