4. ヨセフは王家の血筋だったので、ガリラヤ地方のナザレから、ダビデ王の出身地ユダヤのベツレヘムまで行かなければなりません。
5. 婚約者のマリヤも連れて行きましたが、この時にはもう、マリヤのお腹は目立つほどになっていました。
6. ベツレヘムにいる間に、
7. マリヤは初めての子を産みました。男の子でした。 彼女はその子を布でくるみ、飼葉おけに寝かせました。 宿屋が満員で、泊めてもらえなかったからです。
8. その夜、町はずれの野原では、羊飼いが数人、羊の番をしていました。
9. そこへ突然、御使いが現われ、主の栄光がさっとあたり一面を照らしたのです。 これを見た羊飼いたちは恐ろしさのあまり震え上がりました。
36-37. その日、女預言者アンナも神殿にいました。 彼女はアセル族のパヌエルの娘で、たいへんな年寄りでした。 七年の結婚生活の後、未亡人で通し、もう八十四歳にもなっていたのです。 彼女は神殿を一歩も離れず、祈りと断食に明け暮れ、神に仕える毎日を送っていました。
38. そこにいたアンナも神に感謝をささげ、救い主のおいでを待ちわびていたエルサレムのすべての人に、メシヤがおいでになったと語り聞かせました。少年イエス
39. モーセの法律どおりにすべてのことをすませると、ヨセフとマリヤはガリラヤのナザレに帰りました。
40. イエスは成長してたくましくなり、年に似合わず賢い子だ、と評判になるほどでした。 神も絶えずイエスを祝福してくださいました。
41. さて、両親は過越の祭りには、毎年かかさずエルサレムに行きました。
42. 十二歳の時、イエスは祭りの習慣どおり、両親についてエルサレムに行きました。
43. 祭りが終わると、両親は帰途に着きましたが、イエスはそのまま、エルサレムに残りました。 そうとは知らない両親は、
44. てっきりほかの人たちといっしょだろうと考え、たいして気にもとめず、その日一日、旅を続けました。 ところが、夕方になってもイエスの姿は見あたりません。 あわてて、親族や友人たちの間を捜し始めました。
45. それでも、やっぱり見つかりません。 とうとう捜しながらエルサレムまで引き返しました。
46. 三日後、ようやく、イエスの居場所がわかりました。 なんと、神殿で法律の教師たちを相手に、むずかしい議論をしていたのです。
47. 取り巻く見物人はみな、イエスの知恵と答えとに舌を巻いていました。
48. 両親は、わが子が落ち着きはらって座っているのを見て、面食らってしまいました。 「どうして、こんなことをしてくれたんですっ! お父さんもお母さんも、どんなに心配して捜し回ったか知れないんですよっ」と、マリヤが言いました。