6. ザアカイは急いで降りると、大喜びでイエスを家に迎えました。
7. しかし、これを見ていた人々の心中は、おだやかではありません。「なにも、あの札つきの悪党の家の客にならなくても……」と、ぶつぶつ文句を言いました。
8. 一方、ザアカイは主の前で、こう告白したのです。 「先生。 今からは、財産の半分を貧しい人たちに分けてあげます。 税金を取り過ぎた人たちには、四倍にして払い戻します。」
11. イエスがいよいよエルサレムに近づくのを見て、今すぐにでも神の国が実現するのではないか、と早合点した人々がいました。 そのまちがいを正そうと、イエスはたとえ話を一つなさいました。
12. 「ある所に身分の高い人が住んでいました。 やがてその地方の王に任命されるため、遠くの首都に出かけることになりました。
13. そこで、出発前に十人の家来を呼び寄せ、留守中に事業を始めるようにと、めいめいに六十万円ずつ渡しました。
14. ところがそこの住民の中には、その人が王になるのを快く思わない人々があり、反対の声明文を首都に送りつけたのです。
15. さて、その人は王位を受けて帰ると、さっそく、資金を預けた家来たちを呼び集め、経過報告をさせました。
16. 最初の家来は、元金の十倍というすばらしい利益をあげたと報告しました。
17. 王は非常に喜び、『でかしたぞ! 感心なやつだ。 少しばかりのものにも忠実に励んでくれた。 よし、ほうびに、十の町を治めさせよう』と言いました。
18. 次の家来が進み出て、元金の五倍の利益をあげたと報告しました。
19. 『よくやった! おまえには五つの町を治めてもらおう。』王は上きげんで言いました。
20. ところが、三番目の家来は、預かった資金をそっくりそのまま差し出すではありませんか。 『私はお金を大切に保管しておきました。
21. せっかくもうけても、横取りされてしまうのではつまりません。 あなた様はほんとうにひどい方で、ご自分のものでないものまで取り立て、他人の作った穀物さえ、取り上げるのですから。』
22. 王は激しく怒ってどなりつけました。 『なんて悪いやつだっ! わしが、そんなにひどい人間だと言うのか。 よし、それなら思い知らせてやろう。 それほどよくわかっていたのなら、