4. そこで、ずっと先のほうに走って行き、道ばたにあったいちじく桑の木によじ登り、見下ろしていました。
5. やがて、そこへ差しかかったイエスは、ザアカイを見上げると、彼の名を呼んで、「ザアカイさん。 早く降りてきなさい。 今晩はあなたの家に泊めてもらうつもりでいますから」と言われました。
6. ザアカイは急いで降りると、大喜びでイエスを家に迎えました。
7. しかし、これを見ていた人々の心中は、おだやかではありません。「なにも、あの札つきの悪党の家の客にならなくても……」と、ぶつぶつ文句を言いました。
8. 一方、ザアカイは主の前で、こう告白したのです。 「先生。 今からは、財産の半分を貧しい人たちに分けてあげます。 税金を取り過ぎた人たちには、四倍にして払い戻します。」
36-37. イエスがろばの子に乗って進んで行かれると、大ぜいの人が次々と上着を脱ぎ、道に敷き並べました。 この一団がオリーブ山のふもとに差しかかった時、群衆の中から大きな声が上がりました。 イエスが行なわれたすばらしい奇蹟のことで、神を賛美し始めたのです。
38. 「神様がお立てくださったわれらの王に祝福があるように。天よ、喜べ。いと高き天で、神様に栄光があるように!」
39. 群衆の中にいたパリサイ人たちは、これが気に入りません。 「先生。 あんなことを言ってます。 しかってください。」
40. ところが、イエスはお答えになりました。 「それもいいでしょう。 だが、この人たちが黙っても、道ばたの石が叫びだします。」
41. さらにエルサレムに近づいた時、イエスは都をごらんになり、はらはらと涙をこぼされました。
42. 「永遠の平和が、すぐ手の届くところにあったのに、あなたはそれをはねつけてしまいました。 もう遅すぎます。