18. 次の家来が進み出て、元金の五倍の利益をあげたと報告しました。
19. 『よくやった! おまえには五つの町を治めてもらおう。』王は上きげんで言いました。
20. ところが、三番目の家来は、預かった資金をそっくりそのまま差し出すではありませんか。 『私はお金を大切に保管しておきました。
21. せっかくもうけても、横取りされてしまうのではつまりません。 あなた様はほんとうにひどい方で、ご自分のものでないものまで取り立て、他人の作った穀物さえ、取り上げるのですから。』
22. 王は激しく怒ってどなりつけました。 『なんて悪いやつだっ! わしが、そんなにひどい人間だと言うのか。 よし、それなら思い知らせてやろう。 それほどよくわかっていたのなら、
23. なぜ、銀行に預けておかなかったのか。 そうすりゃあ、利息ぐらいついたのに。』
24. 王は側近の者たちに、『さあ、こいつからお金を取り上げ、一番多くもうけた者にやってしまえ』と命じました。
25. 『ですが王様。 あの者はもうすでに、たくさん持っていますが。』
26. それでも、王は言いました。 『そのとおり。 だがな、いつでもそうだが、持っている者はさらに多く与えられ、持っていない者はそのわずかな物さえ失ってしまうのだ。
27. それから、謀反を起こしたやつらのことだが、すぐにここへ引っ立てろ。 わしの目の前で死刑にしてやるがいい。』」エルサレムを目前にして
28. お話を終えると、イエスは先頭に立ち、エルサレムに向かわれました。
29. 一行がオリーブ山のふもとのベテパゲとベタニヤの村に近づいた時、イエスは、先に弟子を二人、使いに出し、こう指示なさいました。
30. 「さあ、あの村へ行って、道ばたにつないである、ろばの子を捜しなさい。 まだだれも乗ったことのないろばの子です。 見つけたら、綱をほどいて、連れて来るのです。