2. 「ある町に、少しも神を恐れず、人を人とも思わない裁判官がいました。
3. 同じ町に住む一人の未亡人が、たびたび、この裁判官のところへ押しかけ、『訴えられて困っています。 どうかお力添えを』と願い出ました。
6. 主は続けて言われました。「このように、悪徳裁判官でさえ音を上げてしまうのなら、
7. まして神は、昼も夜もひたすら訴え続ける信者たちを、必ず正しく取り扱ってくださるはずでしょう。 そうは思いませんか。
8. 神はすぐに答えてくださるのです。 ただ問題は、メシヤ(救い主)のわたしが帰って来る時、いったいどれだけの人が信仰を持って祈り続けているかです。」
9. それから、自分の美徳を鼻にかけ、他人を軽べつする人たちに、こんな話をなさいました。
10. 「二人の男が祈るために神殿へ行きました。 一人は自尊心が強く、あくまでも自分を正しいと主張するパリサイ人、もう一人は、人のお金をだまし取る取税人でした。
11. 高慢なパリサイ人は、胸を張って祈りました。 『神様。 ありがとうございます。 私はほかの連中、特に、ここにいる取税人のような罪人ではありません。 人をだましたこともなければ、姦淫したこともありません。
12. 一週間に二回は必ず断食し、全収入の十分の一もきちんと献金しています。』
13. 一方、取税人は遠く離れて立ち、目を伏せ、悲しみのあまり胸をたたきながら、『神様。 罪人の私めを、あわれんでください』と叫びました。
14. よく言っておきますが、罪を赦されて帰ったのは、パリサイ人ではなく、この罪人のほうです。 高慢な者は卑しい者とされ、謙そんな者には大きな名誉が与えられるからです。」
15. ある日のことです。 イエスにさわって祝福していただこうと、人々が子供たちを連れて来ました。 ところが弟子たちは、じゃまだとばかり、追い返そうとしました。
16. するとイエスは、子供たちを呼び寄せ、弟子たちに言われました。「いいから、子供たちを自由に来させなさい。 追い払うなんてとんでもありません。
17. 神の国は、この子供たちのように、素直に信じる心を持っている人たちのものなのです。」天国に入るには?
18. ある時、一人のユダヤ教の指導者がイエスに尋ねました。 「先生。 あなた様は尊いお方です。 そこでお聞きしたいのですが、天国に入るには、どうすればよろしいのでしょう。」
19. 「わたしのことを『尊い』と言いましたね。 それがどういうことか、わかっているのですか。 『尊い』方は、ほかのだれでもない、ただ神お一人だけです。
20. それはそれとして、質問に答えましょう。 戒めは知っていますね。 姦淫してはいけない、殺してはいけない、盗んではいけない、うそをついてはいけない、父や母を敬え、とあります。」
21. 「子供のころから、戒めはきちんと守ってきました。」