26. それに、そちらへ行こうにも、間に大きな溝があって、とても行き来はできない。』
27. 『ああ、アブラハム様。 それならせめて、ラザロを私の父の家にやってください。
28. まだ五人の兄弟がいるのです。 彼らだけは、こんな目に会わせたくありません。 どうぞ、この恐ろしい苦しみの場所があることを、教えてやってください。』
29. 『それは聖書が何度も警告してきたことではないかね。 その気があれば、いつでも読めるはずだよ。』
30. 金持ちはあきらめません。 『でも、アブラハム様。 彼は、聖書を読みたがらないのでございます。 ですが、もしだれかが死人の中から遣わされて行ったら、彼らも罪深い生活から立ち直れるでしょう。』
31. アブラハムはきっぱり言いきりました。 『モーセと預言者たちのことばに耳を貸さないのなら、だれかが生き返って話したところで同じことだ。 彼らは聞こうとしないだろう。』」