16. あまりのひもじさに、豚のえさのいなご豆さえ食べたいほどでしたが、だれも食べる物をくれません。
17. こんな毎日を送るうち、彼もやっと目が覚めました。 『あーあ、家なら雇い人にだって、あり余るほど食べ物があるだろうな……。 なのにおれときたら、なんてみじめなんだ。 こんなとこで飢え死にしかけてる。
18. そうだ。 家に帰ろう。 帰って、お父さんに頼もう。 「お父さん。 すみませんでした。 神様にも、お父さんにも、罪を犯してしまって……。
19. もう息子と呼ばれる資格はありません。 どうか、雇い人として使ってください。」』