16. わたしは今、十八年もの間サタンに束縛されていた、ユダヤ人の女を解放してあげたのです。 たまたまそれが安息日だったからといって、どこがいけないのですか。」
17. このイエスのことばに、敵対する者たちは、ぐうの音も出ず、恥じ入るばかりでした。 群衆はと言うと、イエスの行なったすばらしい奇蹟に大喜びです。
18. そこでイエスは、神の国について教え始められました。「神の国は何に似ているでしょう。 どういうふうに説明したらいいでしょう。
19. そう、神の国は畑にまいた小さなからしの種みたいです。 やがて、大きな木に生長し、鳥が枝に巣をかけるほどになるのです。
20-21. また神の国は、パン生地の中のイースト菌のようだとも言えます。 目には見えないけれども、少しずつ確実に作用して、パン全体を大きくふくらませるのです。」
22. イエスは町々村々を通り、人々に教えながら、ひたすらエルサレムへと進んで行かれました。
23. ある人がイエスに、「救われる人は少ないのでしょうか」と尋ねました。 イエスはお答えになりました。
24. 「天国への戸は狭いのです。 できるかぎりの努力をして、そこから入りなさい。 よく言っておきますが、入ろうとしても、入れない人が大ぜいいるのです。
25. 家の主人が戸を閉めてからでは遅すぎます。 外に立ち、どんどんたたきながら、『ご主人様ーっ! 開けてくださーい、お願いでございまーす』と、なりふりかまわず頼んでも、中からは『おまえたちなんか、全然知らないね』と、冷たい返事が返ってくるだけです。
26. それでもあきらめず、『何かのおまちがいでは? 私どもは、あなた様と食事をごいっしょしたこともありますし、大通りで、あなた様から教えていただきました』と食い下がります。