ルカによる福音書 12:38-53 リビングバイブル (JLB)

38. 主人の帰りは夜の九時になるか、真夜中になるか、かいもくわかりません。 しかし、いつ帰ってもいいように準備のできている人は、ほんとうに幸せ者です。

39.  どろぼうがいつ入るかわかっていれば、家人は、てぐすね引いて待ちかまえています。 同様に、主人の帰りが何時ごろか、はっきりわかっていれば、準備をして待つのはあたりまえです。 

40. だから、いつでも用意していなさい。 メシヤのわたしは、思いがけない時に来るのです。」

41.  ペテロが、いぶかしげに尋ねました。 「主よ。 今の……お話は、私たちにだけ……話されたのですか。 それとも……、ここにいるみんなに……?」

42-44. イエスは、お答えになりました。「では、こう言えばわかるでしょうか。 主人の留守中、ほかの召使たちの面倒を見る責任を負わされた、忠実で賢い人たちに話しているのです。 主人が戻った時、かいがいしく働いているところを見られるなら、ほんとうに幸せです。 主人に全財産を任されることになるでしょう。

45.  ところが、『ご主人様はまだまだお帰りになるまい』と高をくくり、いい気になって召使たちを打ちたたき、飲んだり食べたりのどんちゃん騒ぎをしていたらどうでしょう。 

46. 主人は出し抜けに帰って来て、この有様を見ます。 不届き者は、責任ある地位からはずされ、不忠実な者と同じ仕事につけられるのがおちです。 

47. 自分の義務を心得ながら、果たそうとしなかった罰です。

48.  だが、自分でも気がつかないうちに悪いことをした人の罰は、軽くてすみます。 だれでも多く与えられた者は多く求められ、多く任された者は多く要求されるのです。

49.  わたしは、この地上に火を投げ込むために来ました。 ああ、この仕事がもうすでに終わっていたらよかったのに。 

50. 恐ろしいバプテスマ(洗礼)が待っています。 それが成し遂げられるまで、どんなに苦しい思いをすることでしょう。

51.  このわたしが地上に平和を与えるために来た、とでも思っているようですが、とんでもない見当違いです。 それどころか、争いと分裂を引き起こすために来たのです。 

52. 今から後、家庭内に分裂が生じるでしょう。 五人家族だとすれば、三対二というぐあいに、わたしに賛成するか反対するかで分かれ争うことになるのです。 

53. 父親がわたしのことで決断を下すと、子供は逆らうでしょう。 母と娘との意見は一致しなくなり、本来なら尊重されるしゅうとめの考えも、嫁にはねつけられてしまうでしょう。」

ルカによる福音書 12