4. 神様の知恵と力は底知れないのだ。 今までに、神様に盾をついて成功した者なんか、いやしない。
5. 神様はとつぜん怒って山を動かし、ひっくり返す。
6. 大地さえ土台から揺り動かす。
7. 神様が命令すると、太陽はのぼらず、星も光らない。
8. 神様はただ一人で天を張り広げ、海の上をゆったりと歩いた。
9. 牡牛座、オリオン座、スバル座、それに、南の星座も、みな神様が造った。
10. ほかにも、目をみはるような奇蹟はいっぱいある。 あまり多くて数えきれないほどだ。
11. 神様がそばを通り過ぎても、お姿は見えない。
12. 神様が人のいのちを奪う時、だれもその手をとどめることはできない。 『何をするのですか』と抗議できる者もいない。
13. しかも、神様は怒りを静めず、高慢な人間を土下座させる。
14. わしには、全能の神様を相手どって議論し、説き伏せることなどできない。
15. たといこちらに落度がなくても、自分を弁護しない。 ただただ、あわれみを求めるだけだ。
16. たとい祈りが答えられても、神様がわしの叫びを聞いたとは思えない。
17. 神様は、こんなにまでわしを打ちのめし、理由もないのに傷口を広げるからだ。
18. 次から次へと、息もつかせず、骨の髄までしみとおる悲しみで満たしている。
19. 強くて正しいのは、この世に神様だけではないか。
20. ところで、わしは正しいだろうか。 そうでないことは、自分がよく知っている。 たとい一点の非の打ちどころもないとしても、神様はわしに悪人のレッテルを張る。