2. 「ああ、この悲しみと苦しさが、秤りにかけられたらなあ。
3. まるで海辺の砂を千倍にもしたような重さだ。 だから、ついきついことばを吐いてしまった。
4. 神様は弓に矢をつがえ、わしを狙いうちにした。 その毒矢は心臓深く突き刺さった。 神様は次から次へとわしを脅かす。 そのたびに、身のすくむような思いをする。
19-21. テマとシェバの隊商は、水を求めてそこに来るが、望みは無残にも砕かれる。 あんたへの期待も、同じように裏切られた。 わしを見てこわがり、後ずさりしたな。 救いの手を伸ばしてくれなかったな。
22. なぜだ。 これまで、一度でも頼み事をしたことがあるか。 あんたに物乞いしたことなんかないぞ。
23. 助けを仰いだこともな。
24. わしはただ、道理にかなった返事をしてほしいだけだ。 それが聞けたら、おとなしくしているさ。 教えてくれ。 いったいわしが、どんな悪いことをしたというんだ。
25-26. 真実を言われれば、だれでも胸に響くものだ。 ところが、あんたの批判にはまるで根拠がない。 一時の感情にかられ、やけを起こしたというだけで、わしを責めるのか。
27. それじゃあ、身寄りのないみなしごを傷つけ、友を売るのと同じじゃないか。
28. わしの目をまともに見てくれ! あんたの前でうそをつくような人間に見えるか。
29. わしは潔白なんだ。 邪推するのは、よしてくれ。 そんなにつらくあたるなよ。
30. わしにも善悪の区別ぐらいつくんだ。 もし落度があるなら、気づかないはずがないじゃないか。