ヨブ記 29:10-23 リビングバイブル (JLB)

10. 町の最高幹部は声をひそめた。 

11. だれもがわしの言うことに聞き惚れ、わしをほめそやした。

12.  わしは曲がったことの大きらいな判事として、生活苦にあえぐ貧乏人や、身寄りのないみなしごを助けてきた。 

13. 死にかかっている者に救いの手を伸ばすと、彼らはわしを祝福した。 気の毒な未亡人には、喜びの歌をうたえるようにしてやった。 

14. わしのすることはみな正しく、嘘偽りがなかった。 正義こそ、わしの衣だったのだ。 

15. 盲人には目となり、足なえには足となって仕えた。 

16. 貧しい者には父親のようになり、一面識もない者でも、公平な裁判が受けられるように面倒をみた。 

17. 神様など眼中にない無法者の牙を折り、口にくわえていた犠牲者を助け出した。

18.  そこで考えたものさ。 『きっと幸せいっぱいの長寿を全うし、たたみの上で大往生を遂げるだろう』とな。 

19. わしのすることはみな栄え、畑は夜露でうるおった。 

20. 次々と名誉が与えられ、わしの手腕は日ごとにみがきをかけられ、さえわたった。 

21. だれもがわしのことばに耳をすまし、わしの意見を尊重した。 人々はわしが発言するまで静粛そのものだった。 

22. わしが話し終えると、それ以上何も言わなかった。 わしの助言が彼らをたんのうさせたからだ。 

23. 彼らは日照りの時に雨を待ちこがれる人のように、わしが語りだすのを、今や遅しと待ち受けた。 口をあけ、真剣そのものの表情で待った。 

ヨブ記 29