2-3. 「わしの言い分をよく聞け。 とにかく、しゃべらせてくれ。 そのあとで、好きなだけあざけるがいいさ。
15. 彼らは大きな口をたたく。 『全能の神様だって? いったいだれのことだい。 だいたい、なぜ神様なんかに従わなきゃならんのかね。 たいしたご利益もないのに。』
16. 悪者がさわった物は、何もかも金になる! だが、そんな連中の顔など見たくもない。
17. 悪者は何をしてもうまくいく。 一度だって災いに会わず、神様が悲しみ、怒る時には、彼らだけがお目こぼしにあずかる。
18. 風が彼らをわらのように吹き飛ばし、嵐が運び去るだと? とんでもない。 彼らはびくともしないではないか。
19. 『だが神様は、少なくとも彼らの子供を罰する』と言うのか。 しかし、わしは納得できない。 罪を犯した当人を罰すべきで、子供は問題外だ! 当人が身をもって、刑罰の痛みを思い知るべきではないか。
20. 自分が悪くて滅びを招いたのだから、全能者の怒りを、はらわたにしみるまで飲むべきだ。
21. 死ねば、二度と団らんを楽しむこともできない。
22. とはいえ、だれが、裁判長である神様に異議を申し立てることができようか。
23-24. 神様は健康な者、富んでいる者、太っている者、栄えている者を滅ぼす。
25. 一方では、生まれて一度もいい目を見たことのない貧乏人をも滅ぼす。
26. どちらも、同じちりの中に埋められ、同じようにうじの餌食になる。
27. あんたたちの言わんとすることはわかっている。
28. きっと、罪のために災いを招いた、金持ちの悪者を引き合いに出すことだろうよ。
29. だが、手近な人に尋ねてみろ。
30-32. 悪者はたいてい災いの日に命拾いし、逃げのびる、と答えるに決まっているさ。 だれも面と向かって彼を責めず、報復もしない。 そればかりか、警備員が彼の墓を見張る。
33. 盛大な葬儀の行列が続き、やわらかい土が彼をおおう。
34. いいかげんな前提のもとに話をされたって、慰めにも何にもなりはしない。」