2. 「もう我慢できん。 どうしてもあんたに言ってやりたいことがある。
3. 罪人呼ばわりされた腹いせに、わしに恥をかかせるつもりか。 そうなりゃ、こっちだって黙っていないぞ。
4. あんたにもわかっているはずだ。 この地上に人が住むようになって以来、
5. 悪者が勝ち誇るのはつかの間で、不信心な者の喜びは一夜の夢だ。
6. たとい、連中が思い上がり、肩をいからせて歩いても、
7. 糞のようにつまみ捨てられ、永久に滅びる。 彼を知る人たちは、どこへ行ったのかといぶかる。
8. 彼は幻のように消え失せ、
9. 友人も家族も、二度とその姿を見ることはない。
10. 子供たちは貧乏人に物乞いし、やっとの思いで負債を埋め合わせる。
11. たとい彼がまだ若くても、その骨はちりに横たわる。
12. 彼は悪の楽しみを覚え、それを口の中でとかし、
13. ゆっくり味わいながら、少しずつ飲みくだす。
14. ところが、それは突然、腹の中で苦くなる。
15. たらふく食べた利得も、吐き出さなければならない。 彼が食べた物を消化するのを、神様はお許しにならないのだ。
16. それは彼を殺す毒となる。
17. 盗品を自分のものにして財産をふやすことはできない。
18. 労苦は報いられず、富も喜びを与えない。
19. 貧しい者を虐待し、彼らの家を差し押さえたからだ。 彼が元どおりになることはありえない。
20. 彼の目はいつも貪欲に燃えていたが、今はすっかり貧乏になり、彼の夢見てきたものは、みな飛び去った。