2-3. 子宝に恵まれ、息子が七人、娘が三人もいました。 それに、羊七千頭、らくだ三千頭、五百くびきの牛、雌ろば五百頭がいる上に、大ぜいの召使をかかえる億万長者でした。 名実ともに、その地方きっての大牧場主だったのです。
17. この男が報告し終えないうちに、もう一人の使者が息せき切って駆け込んで来ました。 「だんな様ーっ。 三組のカルデヤ人の野盗がらくだを奪い、召使たちを殺したのです。 私ひとりが、なんとか逃げて来ました。」
18. 彼がなおも話している間に、さらにもう一人が駆けつけました。 「お子さんたちが大へんです。 皆さん、ご長男の家で宴会を開いておいででした。
19. すると突然、砂漠の方から大風が吹きつけて、家を直撃したのです。 それで屋根が落ち、その下敷きになって、皆さんお亡くなりに……。 私だけが、どうにか命拾いをしました。」
20. この時ヨブは立ち上がり、悲しみのあまり上着を引き裂き、地にひれ伏して、
21. 神様に言いました。 「生まれた時、私は裸でした。 死ぬ時も、何一つ持って行けません。 私の持ち物は全部、神様が下さったものです。 ですから、神様はそれを取り上げる権利もお持ちです。 いつでも、どんな時でも、神様の御名がたたえられますように。」