38. せっかく、わたしの父といっしょにいた時に見たことを話してあげても、あなたがたは、自分の父の言いつけに従っているだけです。」
39. 「私たちの父はアブラハムです。」彼らは、きっぱり言いきりました。「いや、あなたがたの父がアブラハムだったら、彼の良い模範にならったはずです。
40. ところが、どうです。 反対にわたしを殺そうとしているではありませんか。 しかも、その理由がまるでおかしいのです。 わたしが神から聞いた真理を語ったからというのですから。 アブラハムなら、そんなことは絶対にしなかったでしょう。
41. そんなことをするのは、自分の父の言いつけに従っているからです。」「私たちは私生児じゃありません。 私たちの真の父は、神ご自身です。」
42. 「ほんとうにそのとおりなら、わたしを愛したはずです。 わたしは神のもとから来たのですから。 自分の考えで、今、ここに、いるのではありません。 父が、ここにお遣わしになったのです。
43. まあ、わたしの言うことがわからないのも、むりはありません。 理解できないようにされているのですから……。
44. あなたがたの父は悪魔です。 悪魔の子が、悪魔の悪い行ないを喜んでまねても、不思議ではありません。 悪魔は初めから人殺しで、真理をきらっています。 悪魔のうちには真理の一かけらもありません。 悪魔がうそをつくのは、しごく当然です。 そもそも、うそつきの元祖なのですから。
45. だから、真理を語っても、あなたがたが信じてくれないのは、あたりまえです。
46. あなたがたのうち、だれが、たった一つでもわたしの罪を指摘できますか。 できないでしょう。 真理を話してあげるのに、なぜわたしを信じないのですか。
47. 神の子供ならだれでも、神のおっしゃることを喜んで聞くはずです。 ところが、あなたがたは聞き従わないのですから、神の子供ではありません。」
48. 「あんたはサマリヤ人だ! よそ者だ! 悪魔だっ! そうとも、やっぱり悪魔に取りつかれてるんだ。」ユダヤ人の指導者たちはわめき立てました。
49. イエスは「いや、断じてそんなことはありません。 わたしは父を尊敬しています。 あなたがたはわたしを軽べつしているから、そんな誤解をするのです。
50. もっとも、敬意をはらってもらいたいとも思いませんが。 ただ、神が、わたしの名誉のために、わたしを受け入れない人々をおさばきになるのです。
51. よく言っておきましょう。 わたしに従う者は、いつまでも死なないのです」と言われました。
52. 「あんたが悪霊に取りつかれていることが、はっきりした。 アブラハムも、偉大な預言者たちも死んだのだ。 なのに、『わたしに従う者は死なない』などと、よく言うよ。