ヨハネによる福音書 5:3-22 リビングバイブル (JLB)

3. そこに、足の不自由な人、盲人、手足の麻痺した人など、大ぜいの病人が横たわっていました。 〔この人たちは、水面が揺れ動くのを待っていたのです。 

4. というのは、時たま主の使いが来て、水をかき回すことがあり、その時、最初に池に入った人は、病気が治ったからです。〕

5.  その中に、三十八年間も病気で苦しんでいる男がいました。 

6. イエスはこの男をごらんになり、長い間どんなに苦しんできたかを知って、「よくなりたいですか」とお尋ねになりました。

7.  「もうあきらめてますよ。 せっかく水が動いても、だれも池に入れてはくれないんだから。 何とかして行こうとしている間に、いつでもほかの人が先に入っちゃうんでね。」

8.  「さあ、立って、床をたたんで家に帰りなさい。」

9.  イエスがこう言われると、たちまち病気は治りました。 男はすぐに床をたたみ、歩きだしたのです。ところが、この奇蹟が行なわれたのが安息日だったので、 

10. ユダヤ人の指導者たちはひどく腹を立て、その男をしかりつけました。「安息日に仕事をするとはけしからん。 床を運んだりするのは、おきて違反だっ!」

11.  「でも……、私を治してくださった方が、そうしろとおっしゃったんですよ。」

12.  「そんなことを言ったのはどこのどいつだっ!」彼らは問い詰めましたが、 

13. 男には、だれかわかりません。 イエスはすでに、人ごみに姿を消しておられたからです。 

14. しばらくして、イエスは宮でその男を見つけ、声をおかけになりました。 「どうですか、すっかりよくなったでしょう。 もう前のように罪を犯してはいけませんよ。 そうでないと、もっとひどい目に会うかもしれませんから。」

15.  男は、ユダヤ人の指導者たちを捜し出し、治してくれたのはイエスだと告げました。

16.  ユダヤ人の指導者たちは、イエスを、安息日の違反者ときめつけ、しつこい攻撃を始めました。 

17. ところが、イエスはお答えになりました。 「わたしの父は、絶えず良い働きをしておられます。 その模範にならっているのです。」

18.  これを聞いたユダヤ人の指導者たちは、ますます、イエスを殺そうと思うようになりました。 イエスが安息日のおきてを破ったばかりか、事もあろうに、神を「父」と呼んで、自分を神と等しい者とされたからです。

19.  イエスはお答えになりました。 「よく言っておきます。 子は自分からは何もできません。 ただ父がしておられることを見て、同じようにするだけです。 

20. 父は子を愛して、自分のすることは何でも、子に教えてくださるのです。 子は、病気を治すことなど比べものにならないほど大きな、驚くべき奇蹟を行ないます。 

21. 父が死人を生き返らせるように、子も、思うままに人を死人の中から生き返らせもするのです。 

22. 父は、罪のさばきを、いっさい子に任せておられます。 

ヨハネによる福音書 5