2. 驚いたマリヤは、息せき切ってシモン・ペテロと私のところに駆けつけ、「た、たいへんよ。 だ、だれかが、主のお体を取ってっちゃったわ! ねえ、いったい全体、どこに置いたのかしら」と叫びました。
5. すぐさま身をかがめてのぞき込むと、亜麻布が見えます。 けれども、中には入りませんでした。
6. 続いてシモン・ペテロが駆けつけ、ためらわず中に入りました。 彼もやっぱり、亜麻布と、
7. そこからやや離れた所に、イエスの頭に巻いたはずの布がそのままの形で置いてあるのを見ました。
8. 私もあとから入り、この有様を見て、イエスが復活なさったことを信じました。
9. この時までは、イエスは必ず復活すると書いてある聖書のことばを、全く理解していなかったのです。
10. 二人は家に帰りました。
11. 同じころ、マリヤは墓に戻り、外に立って泣いていました。 ところが、泣きながら身をかがめて墓の中をのぞき込むと、
12. イエスのお体があった場所の、頭と足にあたる所に、白い着物をきた御使いが二人、座っているではありませんか。
13. 「なぜ泣いているのです?」御使いたちがマリヤに尋ねました。「だれかが私の主を取って行ったからですわ。 どこに置いたのか、まるっきりわからないんですもの。」
14. こう答えてふり向くと、だれかが立っています。 なんとイエスでした。 しかし、マリヤはまだ気がつかないようです。
15. イエスはマリヤにお尋ねになりました。 「どうかしましたか。 泣いたりして……。 だれを捜しているのですか?」マリヤは、園の管理人と勘違いしていたので、「あの方を運んだのはあなた? もしそうだったら、どこに置いたのか教えてください。私が引き取ります」と言いました。
16. 「マリヤ。」イエスが呼びかけられました。 その声にマリヤは、イエスのほうを向いて叫びました。「先生っ!」
17. 「待ちなさい。 すがりつくのはやめなさい。 まだ父のもとに上っていないのですから。 それよりも、してほしいことがあります。 行ってわたしの兄弟たちに、『わたしは、わたしの父、またあなたがたの父である方、わたしの神、またあなたがたの神である方のもとに上って行く』と伝えてほしいのです。」