3. ところが、宴会の最中だというのに、ぶどう酒が切れてしまったのです。 マリヤは、そのことをイエスに知らせました。
4. イエスは、「今はだめですよ、お母さん。 まだ、奇蹟を行なう時ではありませんから」と、お答えになりました。
5. しかし、マリヤは手伝いの者たちに、「この人の言いつけどおりになさってね」と申し渡しました。
6. さてそこには、石の水がめが六つありました。 ユダヤ教の儀式に使う水がめで、それぞれ八十リットルから百二十リットルぐらい入るものです。
7. イエスは手伝いの者たちに、「さあ、縁までいっぱい水を入れなさい」と指示なさいました。 彼らがそのとおりにすると、
8. 「いいでしょう。 では今度は、それを汲んで、宴会の世話役のところへ持って行きなさい」と言われました。 彼らは、言われるままに持って行きました。
9. 宴会の世話役が試しに一口味わってみると、おいしいぶどう酒です。 「こんな上等の酒を、いったいどこから出してきたんだろう」と首をかしげました。 〔もちろん手伝いの者たちは何もかも知っています。〕そこで、花婿を呼び出して、
10. 言いました。「これは極上のぶどう酒じゃないですか。 あなたは並みの方じゃありませんね。 たいていどこの家でも、初めに良いぶどう酒を出し、酔いがまわって味がわからなくなると、安物でごまかすものですよ。 ところがあなたは、一番上等なものを、最後まで取っておかれたんですからね。」
11. このガリラヤのカナでの奇蹟は、イエスが神の力を公に示された最初のものでした。 これを見て、弟子たちは、「イエス様は正真正銘のメシヤ(救い主)だ」と信じたのです。
12. その結婚式のあと、イエスは、母や兄弟、弟子たちといっしょにカペナウムへ行き、数日間、滞在されました。イエス、エルサレム神殿をきよめる
13. ユダヤ人の過越の祭りが近づき、イエスはエルサレムへ行かれました。
14. そして、宮の境内で、供え物用の牛、羊、鳩を売る商人たちや、勘定台を前にどっかと座り込んでいる両替人たちをごらんになりました。
15. あまりの有様に、イエスはなわでむちを作り、商売人たちをみな追い出され、鳩や羊や牛を追い散らし始められました。 次々に両替人の勘定台をひっくり返されるので、お金はあたり一面に散らばり、足の踏み場もありません。
16. 鳩を売る者たちには、「それを持って、出て行きなさい。 父の家を金もうけの場所にしてはいけません」と、言われました。
17. そのとき弟子たちは、「神の家を思う熱心が、わたしを焼き尽くす」という、聖書(旧約)の預言を思い出したのです。