ヨハネによる福音書 13:6-26 リビングバイブル (JLB)

6.  シモン・ペテロの番になりました。 ペテロは言いました。 「主よ。 足を洗っていただくなど、もったいなくてとてもできません。」

7.  「なぜこんなことをするのか、今はわからないでしょう。 だが、あとでわかるようになります。」

8.  「いいえ。 わからなくてもけっこうです。 どうかもう、おやめください」とペテロは言いはります。「だが、足を洗ってあげなければ、わたしの仲間にはなれません。」

9.  これには、ペテロもすっかりあわてて、「そ、それなら、足だけとおっしゃらず、手も、それに頭も!」と叫びました。

10.  「水浴した者は、足だけ洗えば、全身きれいになります。 今あなたがたはきれいなのです。 もっとも、みんながみんな、というわけではありませんが。」 

11. イエスは、だれが裏切り者かちゃんとお見通しだったので、「みんながみんな、きれいなわけではありません」と言われたのです。

12.  弟子たちの足を洗い終えると、また上着をきて、席に戻り、改めてお尋ねになりました。 「わたしのしたことがわかりますか。 

13. あなたがたはわたしを『先生』とも『主』とも呼んでいます。 それはかまいません。 まさにそのとおりなのですから。 

14. その、主でも先生でもあるわたしが足を洗ってあげたのですから、あなたがたも互いに足を洗い合いなさい。 

15. わたしは模範を示したのです。 わたしがしたとおりに、あなたがたもしなさい。 

16. 使用人は主人より偉くはないし、遣わした本人より使者のほうが大物だということもありえません。 

17. このことがわかったら、すぐ実行しなさい。 これこそ祝福される道です。

18.  あなたがた全員に、こう言っているのではありません。 あなたがたを選んだのは、このわたしです。 ですから、一人一人がどんな人間かよく知っています。 聖書(旧約)には、『わたしと食事を共にしている者が、わたしを裏切る』とはっきり書いてあるでしょう。 いいですか。 まもなく、そのとおりのことが起こるのです。 

19. 今そのことを話しておきましょう。 その時になって、あなたがたがわたしを信じられるように。

20.  よく言っておきます。 わたしが遣わす者を心から受け入れる人はだれでも、わたしを受け入れるのです。 そして、わたしを心から受け入れることは、わたしをお遣わしになった父を受け入れることなのです。」新しい戒めを与えるイエス

21.  ここでイエスは、込み上げる霊の悲しみを抑え、叫ばれました。「そうです。 まぎれもない事実なのです。 あなたがたのうちの一人が、わたしを裏切るのです!」 

22. 弟子たちは、だれのことか見当もつきません。 きょとんとして顔を見合わせるばかりです。 

23. ところで、私は日ごろから特に目をかけていただいていたので、食卓では先生の隣に座っていました。 

24. だからでしょうか、シモン・ペテロが私に、「そんな恐ろしいことをしでかすのは、いったいだれか聞いてくれ」と合図を送ってきました。

25.  そこで私は、先生に、「主よ。 だれがそんなことを?」と尋ねました。

26.  「わたしが手ずからスープに浸したパンを与える者がそうです。」こう言われると、イエスはパンを浸し、イスカリオテのシモンの子ユダに与えられたのです。

ヨハネによる福音書 13