ヨハネによる福音書 12:4-15 リビングバイブル (JLB)

4.  ところが、弟子の一人で、イエスを裏切ろうとしていたイスカリオテのユダが、非難がましく言いました。 

5. 「やれやれ、この香油はひと財産ものだよ。 売って、その代金を貧しい人たちに恵んでやればよさそうなものなのに。 全くもったいない話だ。」 

6. こう言ったのは、貧しい人たちのことを心にかけていたからではありません。 仲間の会計をいっさい任されているのをいいことに、使い込みを重ねていたからです。

7.  イエスはお答えになりました。 「したいようにさせておきなさい。 マリヤは、わたしの葬りの準備をしてくれたのです。 

8. 貧しい人たちは、いつでも助けてあげられます。 だが、わたしはもう、それほど長くいっしょにはいられないのですから。」

9.  エルサレムの市民は、イエスがおられると聞いて、どっとラザロの家に押しかけました。 イエスに会うためばかりではありません。 一度死んで生き返ったラザロを、一目見たいとも思ったのです。 

10. これには、祭司長たちも頭をかかえ込み、いっそのことラザロも殺してしまおうと相談しました。 

11. ラザロのことで、大ぜいのユダヤ人がユダヤ教から離れ去り、イエスをメシヤ(救い主)と信じるようになったからです。エルサレムにおけるイエスの最後の宣教

12.  翌日、イエスがエルサレムに向かわれるというニュースが町中に広まりました。 過越の祭りで上京した人々は、 

13. 「それ、イエス様をお迎えしろ」と、手に手にしゅろの枝を振りかざして駆けつけます。 沿道はたちまち人の波、波、波……。 あちこちで大歓声が上がります。「救い主様ーっ!イスラエルの王様ばんざーいっ!神の大使ばんざーいっ!」

14.  イエスはろばの子に乗っておられました。 こうして、預言どおりのことが起こったのです。

15.  「イスラエルの民よ。あなたがたの王を恐れるな。王は柔和で、ろばの子に乗って、来られるのだから。」

ヨハネによる福音書 12