21. 「そうか。 では、いったい何者だ。 エリヤか。」「いや、違う。」「すると、あの預言者か。」「いや。」
22. 「では、いったい何者か。 はっきりしてくれ。 私たちは帰って報告しなければならないのだ。 ええっ、おまえは何者なのだ。」
23. 「私は、イザヤが預言した、あの、荒野から聞こえる叫び声にすぎない。 『主を迎える準備をせよ』と叫ぶ声、あれが私だ。」
24-25. パリサイ人(特におきてを守ることに熱心なユダヤ教の一派)から派遣された人たちは、なおも問い詰めました。 「キリストでも、エリヤでも、あの預言者でもないのなら、いったいどんな資格でバプテスマ(洗礼)を授けているのか。」
26. ヨハネは答えました。 「私はただ、水でバプテスマを授けているだけだ。 しかし、ここにいる人々の中には、あなたがたのまだ知らない方がおられる。
27. まもなく、あなたがたの間で働きを始められるだろう。 私には、その方のしもべとなる資格もないのだ。」
28. この出来事は、ヨハネがバプテスマを授けていたヨルダン川の東岸にある、ベタニヤ村で起こりました。
29. 翌日のことです。 ヨハネは、イエスが来られるのを見て、言いました。 「ご覧なさい! この方こそ、世の人々の罪を取り除く神の小羊だ。
30. ああ、『まもなく、私よりはるかに偉大な方がおいでになる。 私よりずっと前からおられる方だ』と常々話していたのは、この方のことだったのだ。
31. 今までは、この方だとわからなかった。 だが、私がここで水のバプテスマを授けているのは、まさにこの方を、イスラエルの人々に紹介するためだったのだ。」
32. ヨハネはさらに続けました。 「確かに、聖霊様が鳩のように天から下り、この方の上にとどまられるのを見た。
33. 初めは私も、この方がその方だとはわからなかった。 だが、バプテスマを授けさせるために私を遣わす時、神様はこう言われたのだ。『もし、聖霊がだれかに下り、その上にとどまるのを見たら、その方こそ、あなたの捜し求める方、聖霊のバプテスマをお授けになる方だ。』
34. そのとおりのことが、この方に起こった。 しかと、この目で見たのだ。 この方は神の子にまちがいない。」イエス、弟子を集める
35. その翌日、ヨハネは二人の弟子といっしょに立っていました。
36. 目を上げると、イエスが歩いておられるではありませんか。 その姿を食い入るように見つめながら、ヨハネは、「ご覧なさい。 神の小羊だっ!」と言いました。