ヨシュア記 7:10-11-22 リビングバイブル (JLB)

2.  エリコ陥落後すぐに、ヨシュアはまた、ベテル東方の町アイに、数人のスパイを送り込みました。

3.  彼らは戻って報告しました。 「小さな町ですから、二、三千人もいれば十分です。 すぐに占領できるでしょう。 全員で攻めるまでもありません。」

4.  そこで、およそ三千の兵がアイに送り込まれました。 ところがどうでしょう。 彼らはさんざん痛めつけられたのです。 

5. 三十六人が攻撃中に殺された上、大ぜいがアイの住民に石切り場まで追われ、次々に倒れました。 イスラエル軍は、この敗北ですっかりおびえてしまいました。 

6. ヨシュアと長老たちは心を痛め、衣服を裂き、頭にちりをかぶって、夕方まで神の箱の前にひれ伏しました。

7.  ヨシュアは神様に叫びました。 「ああ神様。 エモリ人の手によって私たちを滅ぼすおつもりなら、どうして、ヨルダン川を渡らせてくださったのですか。 どうして、すでに得ていたもので、満足させてくださらなかったのですか。 こんなことになるくらいなら、ヨルダン川の東側にとどまっていればよかったのです。 

8. ああ神様。敵に背を見せてしまった今となっては、どうすることもできません。

9. カナン人や近隣の民族がこれを聞けば、攻めて来るに決まっています。 もはや全滅です。 そうなれば、神様の大いなる御名の栄誉はどうなるのでしょう。」

10-11. しかし、神様はお答えになりました。 「顔を上げて、立て。イスラエルは罪を犯したのだ。 わたしの命令に背いて、取ってはならないと命じた戦利品を盗んだのだ。 盗んだだけではない。 偽って、自分の持ち物の中に隠しているのだ。 

12. だから、おまえたちは敗れた。 これで、敗北の原因がわかったろう。 今では、イスラエルのほうが滅ぼされる運命にある。 その罪が完全に取り除かれなければ、もう、おまえとは共に歩まない。

13.  立て。 みなにこう告げよ。 『各自、あすに備えて、きよめの儀式を行なえ。 イスラエルの神様である主がこう言われるからだ。だれかが神様のものを盗んだ。 この罪を処分するまで、敵を破ることはできない。 

14. 明朝、あなたがたは部族ごとに進み出なさい。神様が犯人のいる部族を摘発なさるだろう。 その部族は氏族に分かれて進み出なさい。 神様が犯人の属する氏族を示してくださるだろう。 次に、その氏族は家族ごとに進み出なさい。 そして、犯人を含む家族はみな、一人ずつ前へ出るのだ。 

15. 神様のものを盗んだ者は、全財産もろとも、火で焼かれるがいい。 神の契約を破って、全イスラエルに災難をもたらしたからだ。』」

16.  翌朝はやく、ヨシュアは神様の前に、イスラエルの各部族を連れ出しました。 すると、ユダ部族に犯人がいることがわかったのです。

17. ついでユダの各氏族を進み出させると、ゼラフの氏族だとわかりました。 今度は、家族に分かれて神様の前に進み出たところ、ザブディの家族だということになりました。 

18. ザブディ家の男子が一人ずつ連れ出されると、ついに、犯人はザブディの孫アカンであると判明したのです。

19.  ヨシュアはアカンにただしました。 「よいか。 イスラエルの神様に栄光を帰すのだ。 ほんとうのことを白状しろ。 さあ、何をしたか、包み隠さず話せ。」

20.  「私はイスラエルの神様に対して、取り返しのつかない罪を犯しました。 

21. ちょっと見たら、バビロン産の美しい外套と、金の延べ棒と、銀とがあったんです。 銀は六万円もするだろうし、金のほうは十五万円の値打があると思いました。 すると、矢も盾もたまらず欲しくなりました。 それで、そいつを自分のテントの下に埋めたんです。 銀はいちばん深い所に隠しました。」

22.  さっそく人をやって、戦利品を捜させました。 テントへ駆けつけた面々は、アカンの供述どおり、隠してあった盗品を掘り出し、さらに深い所からは銀を見つけました。 

ヨシュア記 7