1. 愛する皆さん。 人の欠点をあばくのに、やっきになってはいけません。 自分だって、欠点だらけではありませんか。 たとえば、人よりもすぐれた判断力を持つべき私たち宗教の教師が、もし悪を行なうなら、ほかの人より、はるかにきびしいさばきが下るのは当たり前です。
2. 舌を思いどおりコントロールできる人は、すべての点で、自分を完全に制することができる人です。
3. 馬を意のままに引き回したい時は、口に、小さなくつわをかけるだけでよいのです。
4. また大きな船も、小さなかじ一つで、どんな嵐の中でも、思いのままに進路を変えることができます。
5. 同様に、舌もちっぽけなものですが、使い方を誤ると、途方もなく大きな害を生じます。 小さな火でも、大森林を焼き尽くすのです。
6. 舌は炎です。 それは悪のかたまりで、体全体を毒します。 舌には地獄そのものの火が燃えさかり、私たちの人生を、滅びと災いの炎で包み込むのです。
7. 人間は、あらゆる獣、鳥、魚、地をはうものをも、思いのままに支配できます。
8. しかし、自分の舌だけは思いどおりにできません。 舌はいつでも、死の毒を吐き出そうと身構えているのです。