13. あなたがたは自分たちのつくった言い伝えを守るために、神のおきてを破っているのです。 これは、ほんの一例にすぎません。 ほかにも同じような例がたくさんあるのです。」
14. イエスは、もう一度群衆を呼び寄せられ、「さあ、よく聞いて、その意味を考えなさい。
15-16. 人は決して外から入る食べ物によって汚されるのではありません。 むしろ内から出て来ることばや思いによって汚されるのです」と言われました。
17. それから群衆と別れ、家に入られました。 すると弟子たちが、「さっきのおことばは、どういう意味でしょうか」と尋ねました。
18. イエスはお答えになりました。「こんなことがわからないのですか。 食べ物は人を汚さないということが、そんなに不思議なのですか。」
19. いいですか。 食べ物は別に人の心に入るわけではないでしょう。 腹に入って、外へ出るだけではありませんか。 こうして、あらゆる食べ物がおきてにかなうきよい物であることを示し、
20. さらに続けて言われました。 「人の内側から出るもの、それがくせものです。
21. 肉欲、盗み、殺人、姦淫、
22. 貪欲、邪悪、あざむき、好色、ねたみ、悪口、高慢、あらゆる愚かさ、それらのものはみな、人の心の中からあふれ出ます。
23. この内側から出て来るものが、人を汚し、神にふさわしくない者とするのです。」広まるイエスのうわさ
24. イエスはガリラヤを去り、ツロとシドンの地方に行かれました。内緒の旅行でしたが、いつものように、イエス来訪のニュースは、あっという間に広がってしまったのです。
25. 小さな娘が悪霊に取りつかれて困っていた母親が、うわさを聞いて駆けつけました。 彼女はイエスの前にひれ伏すと、
26. 娘から悪霊を追い出してくださいと、必死で頼みました。 実は、この女はスロ・フェニキヤ人で、ユダヤ人から見れば、「軽べつすべき外国人」でした。
27. イエスは女に言われました。 「わたしはまず、同胞のユダヤ人を助けなければなりません。 子供たちのパンを取り上げて、小犬に投げてあげるのはよくないことなのです。」
28. 「おっしゃるとおりでございます。 でも先生、食卓の下の小犬だって、子供たちのパンくずは食べるではありませんか。」