3-4. この男は墓場に寝起きしていましたが、すごい強力で、手かせ足かせをはめられても、たちまち引きちぎって逃げてしまうのでした。そんなわけで、だれもこの男を取り押さえることができません。
28. 「せめてこの方の着物にでも手を触れさせていただけば、きっと治る」と考えたからです。
29. さわったとたん、出血が止まり、彼女は病気が治ったと感じました。
30. イエスはすぐ、自分から病気を治す力が出て行ったのに気づき、群衆のほうをふり向かれて、「今、わたしにさわったのはだれですか」とお尋ねになりました。
31. 「こんなに大ぜいの人がひしめき合っているのですよ。 それなのに、だれがさわったのかと聞かれるのですか。」弟子たちはけげんな顔で答えました。
32. それでもなお、イエスはあたりを見回しておられます。
33. 恐ろしくなった女は、自分の身に起こったことを知り、震えながら進み出てイエスの足もとにひれ伏し、ありのままを、正直に話しました。
34. イエスは言われました。 「あなたの信仰があなたを治したのですよ。 もう大丈夫です。 いつまでも元気でいるのですよ。」
35. こう話しておられるうちに、ヤイロの家から使いの者が来て、娘は死んでしまったので、来ていただいても手遅れだと伝えました。
36. しかしイエスは、ヤイロに言われました。 「恐れてはいけません。ただわたしを信じなさい。」
37. イエスは、群衆をその場にとどまらせ、ペテロとヤコブとヨハネのほかは、だれにもついて行くことをお許しになりませんでした。
38. ヤイロの家に着くと、だれもかれもが取り乱し、大声で泣いたり、わめいたり、たいへんな騒ぎです。 これを見たイエスは、
39. 中に入られ、「なぜ、泣いたり、わめいたりしているのですか。 子供は死んだのではありません。 ただ眠っているだけです」と言われました。
40. それを聞いた人々は、イエスをあざ笑いました。 しかしイエスは、全員を家の外に出されると、娘の両親と三人の弟子だけを連れて病室に入られました。
41. そして娘の手を取り、「さあ、起きなさい」と声をおかけになりました。
42. するとどうでしょう。 少女はぱっととび起き、ぐるぐる歩き回るではありませんか! 〔娘はこの時、十二歳でした。〕両親は、ただあっけにとられて見守るばかりです。