マルコによる福音書 4:18-19-37 リビングバイブル (JLB)

2. イエスが人々に教えられる時には、たとえ話を使うのが普通でしたが、この日の話は次のようなものでした。

3.  「よく聞きなさい。 農夫が種まきをしました。 畑に種をまいていると、 

4. ある種はあぜ道に落ちました。 すると鳥が来て、その種を食べてしまいました。 

5. 別の種は土の浅い石地に落ちました。 初めは急速に生長した種も、 

6. 土が浅いため、根から十分養分を取ることができず、強烈な日差しの中で、すぐに枯れてしまいました。 

7. また、いばらの中に落ちた種もありましたが、いばらが茂って、生長をはばみ、結局、実を結べませんでした。 

8. けれども中には、良い地に落ちた種もありました。 その種は、三十倍、六十倍、いや百倍もの収穫をあげることができたのです。 

9. 聞く耳のある人はよく聞きなさい。」

18-19. いばらの地とは、神のすばらしい知らせに耳を傾け、それを受け入れる人の心を表わしています。 けれども、すぐにこの世の魅力、金もうけの楽しさ、成功欲、物欲のとりこになり、神のことばなどは心からはじき出されて、実を結ぶまでには至らないのです。

20.  良い地とは、神のことばをまちがいなく受け入れ、神のために、三十倍、六十倍、いや百倍もの収穫をあげる人の心を表わしています。」

21.  イエスは、続けてお話しになりました。 「せっかく灯をともしたランプに箱をかぶせ、光をさえぎる人がいるでしょうか。 もちろん、いません。 それでは意味がありませんから。 だいたいランプというものは、台の上に置き、あたりを照らしてこそ、存在価値があるのです。

22.  いま隠されているものはみな、いつかは明るみに出されます。 

23. 聞く耳のある人はよく聞きなさい。 

24. また、聞いたことは必ず実行しなさい。 そうすればするほど、わたしの言ったことがわかるようになります。 

25. 持っている人はさらに与えられ、持っていない人は、持っているわずかな物さえ取り上げられてしまうのです。

26.  神の国のたとえを、もう一つ話しましょう。ある農夫が畑に種をまいて、 

27. 家に帰りました。 日がたつにつれて、別に何もしなくても、種はどんどん生長しました。 

28. 土が種を生長させるからです。 まず芽が出て、次に穂、そして最後に実が入ります。 

29. すると、さっそく農夫が刈り取るのです。」

30.  また、こうも言われました。 「神の国をどう説明し、何にたとえたらいいでしょう。 

31. そうですね、神の国は小さなからしの種みたいです。 からしの種は、種の中でも一番小さいものですが、 

32. 生長すると、とても大きくなり、鳥が巣を作れるほどになります。」

33.  このように、イエスは多くのたとえを使い、人々の理解力に応じて教えられました。 

34. たとえを使わずに話をなさることはありませんでした。 しかし弟子たちにだけは、あとでその意味を説き明かされました。

35.  夕やみの迫るころ、イエスは弟子たちに、「さあ、湖の向こう岸に渡ろう」と言われました。 

36. 弟子たちは群衆をあとに残し、イエスの乗った小舟をこぎ出しました。 しかし、あとからついて来る舟も、何そうかありました。 

37. ところが、まもなく、恐ろしい嵐が襲って来たのです。 小舟は大波にほんろうされ、舟は水浸しです。 

マルコによる福音書 4