1. イエスが山を下られると、大ぜいの群衆がついて来ました。
2. その時です。 らい病人が一人、イエスに駆け寄り、足下にひれ伏しました。 「先生。 お願いですから、私を治してください。 お気持ちひとつで、おできになるのですから。」
3. イエスはその男にさわり、「そうしてあげましょう。 さあ、よくなりなさい」と言われました。 するとたちまち、らい病はあとかたもなくきれいに治ってしまいました。
4. 「さあ、道草を食わないで、まっすぐ祭司のところに行き、体を調べてもらいなさい。 モーセの法律にあるとおり、らい病が治った時のささげ物をしなさい。 完全に治ったことを人々の前で証明するのですよ。」
5-6. イエスが、カペナウムの町に入られると、ローマ軍の隊長がやって来て、「先生。 うちの若い召使が体の麻痺で苦しんでおります。 とてもひどく、起き上がることもできません。 どうか治してやってください。 お願いします」としきりに頼みます。
7. 「わかりました。 では、行って治してあげましょう」とイエスは承知なさいました。
8. ところが、隊長の返事はこうでした。 「先生。 私には、あなた様を家にお迎えするだけの資格はありません。 わざわざご足労いただかなくても、ただこの場で、『治れ』と言ってくださるだけでけっこうです。 そうすれば、召使は必ず治ります。
9. と申しますのは、私も上官に仕える身ですが、その私の下にも部下が大ぜいおります。 その一人に私が『行け』と言えば行きますし、『来い』と言えば来ます。 また奴隷に『あれをやれ。 これをやれ』と命じると、そのとおりにします。 私にさえそんな権威があるのですから、先生の権威で、病気に『出て行け』とお命じになれば、必ず治るはずです。」