マタイによる福音書 27:37-52 リビングバイブル (JLB)

37. またイエスの頭上には、「この者はユダヤ人の王イエスである」と書いた罪状書きを打ちつけました。

38.  その朝、強盗が二人、それぞれイエスの右と左で十字架につけられました。 

39. 刑場のそばを通りかかった人々は、大げさな身ぶりをしながら、口ぎたなくイエスをののしりました。 

40. 「やーい。 神殿を打ちこわして、三日のうちに建て直せるんだってなあ! へん、おまえが神の子だって? なら、十字架から降りてみろよ。」

41.  祭司長やユダヤ人の指導者たちも、イエスをあざけりました。 

42. 「ふん、他人は救えるが自分は救えないというわけか。 イスラエルの王が聞いてあきれるわ。 さあ、十字架から降りて来い! そうしたら信じてやろうじゃないか。 

43. おまえは神様に頼ってるんだろうが。 神様のお気に入りなら、せいぜい助けていただくがいい。 なにしろ、自分を神の子だと言ってたんだからな。」

44.  強盗までがいっしょになって、悪口をあびせました。

45.  さて時間がたち、正午にもなったでしょうか、急にあたりが暗くなり、一面のやみにおおわれました。 それが、なんと三時間も続いたのです。

46.  三時ごろ、イエスは大声で、「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」と叫ばれました。 それは「わが神、わが神。 どうしてわたしをお見捨てになったのですか」という意味です。

47.  近くで、その声を聞いた人の中には、「あれはエリヤを呼んでいるのだ」と思う者もいました。 

48. 一人の男がさっと駆け寄り、海綿に酸っぱいぶどう酒を含ませると、それを葦の棒につけて差し出しました。 

49. ところが、ほかの者たちは、「放っておけよ。 エリヤが救いに来るかどうか、とくと拝見しようじゃないか」と言うだけでした。

50.  その時、イエスはもう一度大声で叫んで、息を引き取られました。 

51. するとどうでしょう。 神殿の至聖所を仕切っていた幕が、上から下まで真っ二つに裂けたのです。 大地は揺れ動き、岩はくずれました。  

52. さらに墓が開いて、生前神を敬う生活を送った人たちが、大ぜい生き返りました。 

マタイによる福音書 27