マタイによる福音書 27:20-36 リビングバイブル (JLB)

20.  ところが、祭司長とユダヤ人の役人たちは、バラバを釈放し、イエスの死刑を要求するように、群衆をたきつけました。 

21. それで、ピラトがもう一度、「二人のうち、どちらを釈放してほしいのか」と尋ねると、群衆は即座に、「バラバを!」と大声で叫んだのでした。

22. 「では、キリストと呼ばれるあのイエスは、どうするのだ。」「十字架につけろっ!」

23. 「どうしてか。 ええっ。 あの男がいったいどんな悪事を働いたというのだ。」ピラトがむきになって尋ねても、人々は「十字架だっ! 十字架につけろっ!」と叫び続けるばかりです。

24.  どうにも手のつけようがありません。 暴動になる恐れさえ出てきました。 あきらめたピラトは、水を入れた鉢を持って来させ、群衆の面前で手を洗い、「この正しい人の血について、私には何の責任もない。 責任は全部おまえたちが負え」と言いました。

25.  すると群衆は大声で、「かまうもんか。 責任はおれたちが負ってやらあ。 子供らの上にふりかかってもいいぜ」とわめき立てるのでした。

26.  ピラトはやむなくバラバを釈放し、イエスのほうは、むち打ってから、十字架につけるためにローマ兵に引き渡しました。 

27. 兵士たちはまず、イエスを兵営に連れて行き、全部隊を召集すると、 

28. イエスの着物をはぎとって赤いガウンを着せ、 

29. 長いとげのいばらで作った冠を頭に載せ、右手には、王の笏に見立てた葦の棒を持たせました。 それから、拝むまねをして、「これはこれは、ユダヤ人の王様ですか。 ばんざーいっ!」とはやし立てました。 

30. また、つばきをかけたり、葦の棒をひったくって頭をたたいたりしました。

31.  こうしてさんざんからかったあげく、赤いガウンを脱がせ、もとの服を着せると、いよいよ十字架につけるために引っ立てて行きました。 

32. 刑場に行く途中、通りすがりの男にむりやりイエスの十字架を背負わせました。 クレネから来合わせていたシモンという男でした。 

33. ついに、ゴルゴタ、すなわち「がいこつの丘」という名で知られる場所に着きました。 

34. 兵士たちはそこで、薬用のぶどう酒を飲ませようとしましたが、イエスはちょっと口をつけただけで、飲もうとはなさいませんでした。

35.  イエスを十字架につけ終わると、兵士たちはさいころを投げてイエスの着物を分け合いました。 

36. それがすむと、今度はその場に座り込んで見張り番です。 

マタイによる福音書 27